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【怖い話】ライブチャット①

ライブチャット


18 :1/15@\(^o^)/:2014/08/18(月) 09:25:19.72 ID:oQyBdFeL0.net

特定されないようにフェイクをまぜて書きます。
長くなるけどごめん。数年前のこと。

私は田舎を出て八王子のぼろアパートで一人暮らしをし、女子大に通いつつ、
サークル活動はせずにアパートの近所のファミレスでバイトをしてた。
ファミレスは時給900円ちょっと。親からの仕送りは家賃5万+生活費2万で7万。
遊ぶためのお金は自分のバイト代でまかなう感じだった。

でも学校帰りにファミレスで働いて稼げるお金なんてたかが知れていて
服やかばんや靴を買ったり、飲み会に顔を出したりしてたらすぐになくなってしまう。
短時間でラクに稼げるバイトはないかな~なんて考えていたとき、
八王子駅前にいるティッシュ配りのお兄さんにキャバクラの求人広告をもらった。

私は見た目が派手じゃないし、内向的でキャバクラなんてできそうにない。
それにアルバイトとは言え水商売には抵抗がある。
だけどキャバクラの求人の下の部分には、
「おしゃべり苦手でも大丈夫☆」というコピーとともにQRコードとURLが掲載されていた。

帰ってPCからアクセスしたそこはライブチャットの求人だった。
ライブチャットというのは女の子がWEBカメラで自分の姿を映して、
その映像を、サイトを通じてお客さんに配信するというもの。
映像の内容は女の子によってまちまち。
顔を出しておしゃべりする子もいれば、顔を隠す子もいる。
露出度の高い格好で出演する子もいれば、普段着の子もいる。
エッチな会話をしたり、裸になったりする子もいれば、しない子もいる。
サイト自体18歳未満登録禁止だったから、陰部さえ出さなければ脱いでもOKというルールがあった。

お客さんはほぼ全員男性。お金を払ってポイントを購入し、ポイントに応じて女の子の映像を見られる。
その金額の何割かが女の子に支払われるというシステム。
私はさっそく登録した。カメラはPC内蔵だったからその日からすぐに始められた。
バレることはないとは思ったけど、念のためウィッグをかぶった。


映像の配信をスタートしたらすぐにお客さんが来た。
人によっては「オナニーして」「脱いで」とリクエストが来たけど、それには応じずおしゃべりのみ。
エッチ目当ての人はすぐ出て行っちゃうけど、
中にはおしゃべり目的で来ている人もいて、そういう人と会話を楽しんだ。
不思議とカメラ越しなら喋れるもので、私は身分を偽りつつ、じわじわポイントをためていった。

一ヶ月するとポイントは5万円分ほどたまっていた。
講義が終わったらファミレスのバイトをして、帰宅してからはライブチャット。
週に3日程度、家で数時間のおしゃべりをするだけで月5万。割のいいバイトだった。

それというのも固定のお客さんがついてくれたから。
4人くらい、私がログインしていると必ずチャットルームに入室してくれる人がいた。
その人たちはエッチよりおしゃべり目当て。いわく「のんびり話せて癒される」とのことだった。
田舎の出身だったからか「どんくさい」「ボーっとしてる」と言われることが多かったけど、
固定客の人たちにとってはそれがいいらしかった。

固定客はほとんどサラリーマンだったと思う。
たった1~2時間の会話のために数千円分のポイントを払えるような人たちだ。
文字チャットの時もあれば肉声でしゃべる時もあったし、
オープンチャット(他の人からも見れる状態)の時もあれば
プライベートチャット(他の人からは見れない状態)の時もあった。

2ヶ月もすると常連さんとはだいぶ親しくなった。
最初は身分を偽りながら喋ってたけど、本当のことも聞かれれば少しは答えるようになっていた。
「〇歳の女子大生なんだよ」「バイトはファミレスでしてる」「西東京に住んでるよ」とか。

で、チャットのバイトを始めてから半年くらいだったかな。生まれて初めて彼氏ができた。
友達に紹介してもらった人で、何回か遊んで、知り合って1ヶ月くらいで告白された。

恋人ができたらチャットはやめるって決めてたから、
プロフィールに「月末で退会します」って書いた。
それを見た固定客の人たちがお別れを言いにきてくれた。
「今まで楽しかったよ」「もう話せないなんて寂しい」と嬉しいことを言ってもらった。
チャット終了後にはメッセージ(簡易メール機能)で
「これからも元気でね!勉強がんばれ!」なんて応援が届いて、
ライブチャットを通した仲とは言えちょっとしんみりした。

その次の日もログインした。
ログインとほぼ同時に入室&プライベートチャットにしてきた人がいた。常連のSさんだった。
Sさんはプライベートチャットでしか会話しない、「二人きり」にこだわりのある人だった。
ログインした瞬間に入室なんて、待っててくれたのかな?
なんて、のんきなことを考えた。

応答ボタンをクリックしたら「〇ちゃん、やめちゃうの?」と挨拶もなく言われた。
「うん。色々あってw」ちょっと濁して答えたら「色々ってなに?」って少し強く聞かれた。
「学校とかバイトとか色々」
「もっと詳しく教えてよ」
「バイトの回数増やしたし、勉強もがんばりたいから」
「夜だけなら続けられるでしょ?」
「夜は勉強するから…ごめんね」
「毎日毎日そんなに勉強するの?チャットの時間も取れないくらい?」
「うん…資格の勉強もあるから…」
「土日は?昼間とかログインできないの?」
「土日は教習所に行きたくて…」

Sさんはだいぶしつこかった。
私は嘘を交えつつ答えたものの、面倒くさいなぁ…という気持ちが大きかった。
Sさんは普段はもっと落ち着いてるから、どうしちゃったんだろう?という戸惑いもあった。

「教習所?どこ?八王子だよね?〇〇学校?」
「ん~まあそんなとこw」
「ここで稼いだ金で免許とるのか」
「そういうわけじゃないけど」
「そうだろうが!!!」

いきなり怒鳴られた。びっくりして心臓止まりそうになった。

「俺から巻き上げた金で免許とるんだろうがよ!」
「えっ!?えっ!?」
「お前にいくら使ったと思ってんだよ!ええ!?お前が」

ブツッ!

会話が切れた。というか私が切った。キックボタンという強制退出機能を使った。
通話が切れてしばらくしても心臓がドキドキいってた。

五分くらいしたら、Sさんからメッセージが届いてた。
「さっきは怒鳴ってごめん。つい取り乱してしまいました。
大好きな〇ちゃんがチャットをやめてしまうと知って動揺してのことです。
嫌いにならないでください。ひどいことを言ったのは謝ります。
すみませんでした。どうかまた通話してください」
という内容のものだった。

「驚いてキックしちゃった。こっちこそごめんなさい。
今日はやめておきます。月末までは不定期でログインするので
また時間が合ったらチャットしようね」
そう返信して、その日はログアウトした。

次の日はログインしなかった。2日たって、バイトの後にログインした。
またログインと同時にSさんが入室してきた。もちろんプライベートチャット。

「〇ちゃん、一昨日はごめんね」開口一番Sさんは謝ってきた。
「大丈夫。こっちも素っ気なかったしねw」
私はそう答えた。あんまり思ってなかったけど。

「でも〇ちゃん、本当にやめちゃうんだ」
「うん。やめるのは変わんない」
「教習所がんばってね」
「ありがと」
「八王子だから〇〇ドライビングスクール?」
「ん~w」
「〇〇自動車学校?〇〇ドライビングカレッジ?」
「どうだろうねーw」

この人、調べたのかな…と若干引きつつ答えを濁していたら
「ここで〇ちゃんがチャット始めてもう半年だよね。
前に月5万くらい稼いでるって教えてもらったじゃん。5万×6ヶ月で30万だよね。
〇ちゃんは女の子だからAT限定かな。
AT限定で学生コースのある学校に30万円で通うってことは
〇〇ドライビングスクールかな? どう?」
とか言い出した。

もう私はドン引きだった。
たしかにずっと前に月額どれくらい稼げるのか聞かれて答えたし
「教習所に通う」って嘘もついたけどそこまで調べてるとは思わなかった。

「聞かれても答えないよ~w」
「あっ、当たってるんだ? 図星でしょ?」
「どうかなー? ごめんね、今日はもう落ちるよ」
「当たったから逃げるんだ? そうでしょ?」

Sさんはまだ喋ってたけど私は退室した。
この間まで仲良くしてたSさんが、もうストーカーの類にしか思えなかった。
退会は月末を予定してたけど、前倒しにしようと思った。

ログアウト前にメッセージを確認したらSさんから届いてた。
「〇〇ドライビングスクール 評判いいみたいだよ^^ 僕も行ってみようかな(笑)」

怖くなって返事をせずログアウトした。Sさんは確かに以前から私の素性を聞き出したがる傾向があった。
「学校はどのへん?」とか「出身はどこなの?」とか。
プライベートチャットで二人きりだし、普段は優しくて話題も豊富だし、オープンチャットより
だいぶ消費ポイントの多い(=お金のかかる)プライベートチャットを
常にするくらい収入のある人だから、私も油断して
「八王子だよ」とか「〇〇県だよ」とか答えてた。さすがに学校名や住所は言ってなかったけど。

そんなわけないとは思いつつ、もしかして私の素性が知れてるんじゃないかと不安になった。
彼に相談したかったけどライブチャットをしていたことはバレたくない。
次の日からチャットにはログインしなくなった。

その夜は怖かったけど何日かしたらそんなことも忘れた。彼とのデートに浮かれてたから。
でも月末に通帳の記帳をしたらライブチャットからのお給料が振り込まれてて、
それで退会のことを思い出した。
気が乗らなかったけど退会処理をするためにログインして固まった。

「新着メッセージ 100件」

お知らせ欄にはそんな表示が出ていた。
ライブチャットのメッセージは最大100件までしか保存されない。
限度いっぱいに届いたメッセージは、全部Sさんからだった。

「〇ちゃん! 次のログインはいつ?」
「〇ちゃん^^ もうすぐ月末だね」
「〇ちゃん? 今日はログインしないのかな?」
「〇ちゃん! 今日は教習所かな?」
「〇ちゃ~ん 予定がわかったら返信してね」
「〇ちゃん どうしたの?」
「〇ちゃん 見てますか?」
「〇ちゃん 逃げたの?」
「逃げたの?」
「退会 月末じゃないの?」
「ログインしないの?」
「逃げたの?」
「逃げるなよ」
「逃げたの?」
「逃げられると思ってる?」
「逃がさないよ」

そんなメッセージが100件続いてた。

怖くて全部は読んでない。即効で退会処理をした。
この人ヤバイと思った。
逃げるって何? 逃がさないってどういうこと? 私が何かした?
私はパニックになっていた。心臓がバクバクいってた。



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