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【怖い話】スカイプチャット

スカイプチャット


匿名さん 2011/08/19 14:20 怖い話投稿:ホラーテラー

今年の3月末のことです。

関東では計画停電の影響で会社が休みになったり、勤務時間が変わったりと対応に追われていました。
私の会社も停電になっては仕事にならないので、昼間に停電が予定される日は休みになりました。
しかし、土日休みに慣れている私は、突然の平日休みの過ごし方が分からず、
家に籠ってネットサーフィンに興じていました。
幸いにも我が家は会社とは違う停電グループだったので電気が使えました。

ブログを見たり動画サイトを見たり、あっと言う間に時間は過ぎ、気がつけば外はすっかり薄暗くなっていました。
一日を無駄に過ごしてしまった。
誰とも会わず、一言も言葉を発することもなく一日が終わる。
一人薄暗い部屋の中で苦笑いしていると、
「ピコン」
聞き慣れない効果音がパソコンから発せられました。

見てみると、画面の右下に何かが表示されています。
どうやらスカイプのコンタクト要求があったようです。
要求を送ってきた人間に心当たりはなく、住んでいる地域も北海道となっていたので、知り合いではないようでした。
いつもならば無視するところですが、
誰とも会話をせずに一日を終えることを寂しく感じていた私は、そのコンタクト要求を受け入れることにしました。
すると、すぐにチャット画面が起動して、相手の書き込みが表示されました。

『初めまして!』

簡単な挨拶と自己紹介を交わしました。
相手は北海道に住む25歳の女性で、デザイン関係の仕事をしているとのことでした。
私はチャットというものに慣れていなかったのですが、
彼女は慣れているようでしたので、会話は彼女のペースで進みました。

彼女が自分のことを話して、最後に私に質問をする。私はただ彼女からの質問に答えるだけ。
決してコミュニケーションが得意でない私には、この流れがとても心地良かったです。
彼女の恋愛相談に乗ったり、一人暮らしでの自炊の話などで会話は弾みました。


ふと時計を見ると、時計は19時を少し回ったところでした。
そろそろ晩御飯を作らなきゃと考えていると、突然私の周りから音が消えました。
冷蔵庫の音や、寒くてつけていたエアコンの音、それまで聞こえていた雑音が全て消えました。
すっかり忘れていたのですが、我が家は19時~21時が停電の順番だったのです。
ノートパソコンの画面から発せられる明りだけが頼りになりました。

『どうしたの?』

彼女からのメッセージがチャット画面に表示されました。
一人暮らしでの夜の停電はとても心細いものでしたが、チャットとはいえ誰かと話せるというのは心強く感じました。
停電でも使えるノートパソコンに感謝しました。
それからまたしらばく世間話などをチャットしていました。

1時間くらいはそうしていたでしょうか。
私は自分の部屋に起こっている異変に気付き始めていました。
まず、部屋が異常に暑いのです。
もうすぐ春だとはいえまだ3月です。
停電になる前には暖房をつけていたくらいなのに、今は背中にじっとりと汗をかいているのです。

もう一つの異常は、部屋の異臭でした。
最初は汗をかき始めた自分の体臭かと思ったのですが、明らかにこの臭いは体臭ではありませんでした。
真夏に生ごみを1週間放置したみたいな強烈な臭いが、部屋に充満していました。

そしてもう一つの異常は、私自身に起きていました。
パソコンから離れられないのです。
部屋が暑いから窓を開けたいのに、部屋に充満する臭いの元を確認したいのに、
パソコンから離れられないのです。
自分の意志とは無関係に私の眼は画面の文字を読み、私の手はチャット相手へのメッセージを打ち込んでいます。
これはおかしい。

画面の中の平穏な世間話とは裏腹に、私は身の危険を感じていました。
額から流れた汗が目に入って痛いのに瞼を閉じられない。
キーボードから手を放そうとしているのにまったく体が反応しない。
じわりじわりと恐怖を感じました。

そして私はもう一つの異常に気が付きました。
なぜインターネットが使えるのか。
ノートパソコンは電源が無くてもバッテリーで使うことができますが、
我が家のインターネットは光回線なので、ネットに繋ぐには電源が必要です。
終端装置もルータも停電していたら使えるわけがないのです。
いったいこのチャットで私は誰と会話しているのか。

『気づいちゃった?』

彼女からのメッセージが画面に表示されました。
その瞬間、私は背後に何かの気配を感じました。
ディスプレイの縁が黒いので、うっすらと背後が反射して見えます。
はっきりとは見えませんが、確実に誰かが私の背後に立っていました。

『振り向いてごらんよ』

私の返信を待たずに彼女からのメッセージが書き込まれます。
後ろを確認したい衝動に駆られますが、歯を食いしばって耐えました。
絶対に振り向いてはいけない。

『後ろを見ろ』

首筋に生温かい息がかかるのを感じました。
私の耳のすぐ後ろに息遣いを感じます。
部屋の中の異臭もさらに強くなった気がしました。

『うしろをみろ』

画面には、もはや一方通行となった彼女のメッセージが表示されます。

ふと私は、画面の右下にバルーンが表示されていることに気付きました。
バッテリー残量 残り7%
私はこれを見て心底安心しました。
なぜかと言うと、私のパソコンはこの表示がでてしまうと、
30秒もせずにバッテリーが終わってしまう、残念なパソコンなのです。

私の心境の変化を察知したのか、画面上にはものすごい勢いでメッセージが表示されました。

『うしろをみろ
 うしろをみろ
 うしろをみろ
 うしろをみろ
 うしろをみろ
 うしろをみろ
 うしろをみろ
 うしろをみろ
 はやくしろ
 はやくしろ
 はやくしろ
 はやくしろ
 はやく
 はやく
 はあyく』

幽霊のくせにちょっと慌ててる感じが少し萌えました。
もはやこの恐怖体験の終わりが見えた私には恐怖感もさほどなくなり、
画面に表示されるメッセージを楽しむ余裕すらありました。
幽霊もローマ字入力なんだ。とか。

やがてパソコンは自動終了し、それと同時に背後に感じていた気配も消えてなくなりました。
数分後には計画停電も終了し、明りが戻ったのですが、部屋にあったデジタル温度計を見て驚き!
室温41.5度 湿度86%
真夏でもこんな温度にはならないのに…
温度のせいかわかりませんが、パソコンはあれ以降起動しなくなってしまいました。

匿名掲示板の書き込みの何割かは死者による書き込みだ、なんて噂話がありますが、
この体験をしてから、あながちただの噂話ではないのかもしれないと感じています。


出典:http://horror-terror.com/
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コメント

[4800]
…これは本当に怖い
まぁ無事でなにより
[4786]
危機一髪やな

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