優良記事紹介ヘッドライン    感謝アンテナ様【 にゃんてな!


【不思議】俺の常識/HN:オイキタロウ

俺の常識/HN:オイキタロウ


物心がついてから25、6歳辺りまで金縛りには毎日のように遭っていた。

経験のある方はご存知だろうが、あれってまず耳鳴りからスタートするよね?(違う人もいるかも知れないが…)

ある夜、例によって耳鳴りのスイッチが入る。確か、中2の夏頃だったと思う。

霊感=金縛りじゃないってのは当時の、俺の中での常識。幽霊を見た事が無いのだから当然だ。

だからその夜も別に恐くはなかったんだが、(もーまたかよ、うぜっ!!)て感じで妙に腹が立ったわけ。で、部屋を明るくしようと思ったんだわ。

生来ものぐさの俺は、寝た状態で手が届くように、室内灯の紐を長く垂らしていた。その先っぽには、二つ年上の姉貴がふざけて付けたキティちゃんのキーホルダーがぶら下がっている筈だった。

ピキーン!!身体は既に完全に硬直していた。俺は目ん玉だけ動かしてキティちゃんを探す。

(あった!)

豆球は点けてたから、キティちゃんの輪郭が斜め右上45度にはっきりと見えた。当然俺はそれを掴もうとした。

その時改めて金縛りの凄さを思い知ったね。腕を動かそうにもびくともしないんだ。(うわ!マジ動かねえ!!)焦ってると急に恐くなってきた。

(気合いだ!気合いだ!気合いだー!!)今やゲキ重の鉄アレイと化した右腕に、俺はひたすら念を送る。(動け!動け!動けー!!)。

(やった♪)

少しずつだが腕が移動している感覚がある。(早く明かりをー!)

ようやく視界に手が現れた。俺はゆっくりとそれを紐に近付けて行った。

(あり!?)

なんと、目の前でキティちゃんが手のひらの内側から外側へ抜けて行ったんだ。


再度アタック、再度スルー。

何回やっても掴めない!!

その夜は焦ってる内に寝てしまったんだが、あの出来事は、俺の中の常識を一つ増やしてくれた。結論までの経緯はざっとこんな感じかな。


あの手は絶対に実際の俺の手ではない→あの手は幽体→手だけが例外とは考え難い→

で、結論。金縛りの最中に、肉体は一切動いていない。例え動いていると感じてもそれらは全て錯覚である。

指なら動くと思っているそこの貴方(貴女)、違います。その指に、血は通っていません。目だけは動くって人、それも錯覚。眼球はピクリともしてないし、目を閉じている可能性大。

金縛りって肉体と霊体が僅かにずれている事から起こる現象なんだ。僅かとはいえ幽体が肉体から離れた状態だから、肉体そのものは植物人間とほぼ同じ。だから、意識的に肉体を動かす事は不可能なんだよ。

よくあるだろ?自分が救急車に乗せられるシーンを宙に浮かんで眺めてたって話。その際、患者である自分の指を動かせるかい?

金縛りはまさにそんな状況。肉体と霊体の距離が近いってだけなんだよ。

俺は金縛りに遭わなくなって久しいけど、現役の人は試してみて。気合いで上半身だけ起き上がってさ、振り向くんだよ。

自分が目を閉じたまま、寝てる筈だよ。



2014年08月06日(水) 19:15
オイキタロウ ◆-
※天通の投稿広場より掲載
関連記事
19件の投稿・反響コメントを見る

┏みんなに広める┓
ぜひ反響をお寄せください↓投稿者さんのやる気が跳ねあがります
Loading...

コメント

[5804]
ここって、秘かに伝えたい事でも新しい反響コメントとかでトップに載るからやりにくいんだけど、おにさんには心から謝罪したい。俺なんか知識量じゃ遥かに貴方に及ばない。だからいかにも自信満々のふりして貴方に恥をかかせようとした。少しでも彼の気持ちが解って欲しくてね。俺も昔は散々叩かれてさあ。もう糞味噌さ。褒めてくれる読者が一人もいねえもんだから自演もしたよ。「みんなが言う程悪くないと思うけど」とかね。だから、解るんだよ彼の気持ちが。あそこまでケチョンケチョンにされてまだ頑張れる人って日本で10人くらいじゃないかな。俺もさすがにあれ程じゃなかったしね。何が言いたいか、つうと貴方らしくないんだよ。彼の動向をいちいちチェックして何のメリットがある?それより貴方の話が読みたいよ。言いたいのはそれだけ。
[5799]
ハバカリモウセン?誰かとやりあってた人か?俺はものさんあるいはおにさんに言ってるんだ。まあ、ハバカリモウセン=もの=おにかも知れないけどね。彼の投稿者に向ける愛情はここで一番深いと思うよ。碓井氏を許せないのも彼が他の作者を咎める発言をするからだろう。でもね、いい加減気付くべきだよ。碓井氏は漢だよ。あんなに叩かれても決してめげない。これでどうだ?これならどうだ?と挑戦してくる。リングの上で闘ってるんだ。観客席からヤジ飛ばしてるだけのヘタレじゃない。確かに逆ギレは酷いけどね。
もの氏は勝負なんて、本当の所はどうでもいい筈だ。それに、怪異が根幹に関わってる?とかおかしな事は言わない。悟は少ししか生きられないからこそ美しい魂を授かった。一家を破滅に追い込むドロドロの業。その中で抵抗するように咲いた一輪の花。長く生きられる程強くはない。因果の法則に押し潰されるのを前提で咲いた花なんだ。それは可哀想だから助けてやろうとかいうのとは根本的に違う。神様も手出し出来ないものなんだ。これが俺の言いたかった事。ものさんなら解ってくれたんじゃないかと思うけどね。
[5798]
ハバカリモウセンより確実に上だと読者に言わせられる作品を碓氷とオイキタロウは投稿すればいいんじゃね?
構成力、表現力、発想、ボキャブラリ、文章力の全てが上回っているなら納得すんだろ。
[5794]
時間が無くて肉付けしたくても出来なかったからな。ま、次回頑張るよ。
もうやめよう。
どうせ、じゃあお手本を見せてよ、とお願いしても逃げるんだろ?
碓井氏の方が漢なんだよ。人前に実力を晒してるわけだから。少なくとも君みたいに逃げてない。正々堂々と勝負してるじゃん。じゃあね。
[5792]
で、この話ってここのカテゴリーでは何?
たかが怖い話とか、素人だから甘く見ろとか
ロビンさんとか血苺さんとかこげさん、いくゆみさんとか、そんなことコメに書いてるところ見たことがないよ。暴言吐いたり荒らしたりもしてないよ。
批評されても叩かれてもみんな作品で応えてるから。
そういう人がいるから敬意をはらうんだよ。ただ書いてるだけの人にそれだけの価値あるかな。たかがとか書いてる人とかに。
ここの作家さんと大した差がないとか以前書いてたけど、全然違うと思う。
読む側は良作があれば本気で読むよ。誰が書いたとしても本当に良い作品なら自分は正当に評価するよ。
これが本気?怪異が話の根幹に関わってる?
怪談が書きたいと言ってたんじゃなかったっけ?
[5791]
鼻血ブー助さん、ありがとう!!感謝の涙ブーだぜ(´。д`。)。。
[5789] 切ない
悟くんがいい子過ぎて、余計切ない(Тωヽ)

食後の一服のお供ではなく、じっくり読むべき話しでしたorz 鼻から水が……ニンゲンナクトキナミダヨリハナミズデルヨネ…ネ!?

次回作も楽しみにしてます!
[5779]
書き忘れた。

先生はやめて下さいまし汗
[5778]
おお♪ロビンMさんじゃん!!いつも読んでるよ。コメントは滅多にしないけどね。(※欄のやり取り見られたか?と思うと恥ずいな~)
俺は基本おかしな点があると指摘すんのはありだと思ってるんだが、ある作者を徹底的に叩いて追い出そうとしてただろ?そうでなくても投稿少ないのにさ。流石に嫌な感じがしたのさ。お互い素人なんだし、もっと愛が欲しいよね(笑)。ロビンMさんなら解ると思うけど一つ書き上げるのって大変なんだわ実際。時間は取られるし飲みにも行けねえし一文にもならねえしで(笑)。それを成し遂げたってだけで投稿者に敬意は持つべきだと思うんだよね。
話変わるけど褒めてくれてありがとう!!また書いてくれって事だけど、俺が書きたいのは実話風の怪談。半値オイキタロウじゃもう書けないんだ。俺の常識で霊感無いってバラシちゃってるし、俺を僕や私にするだけでリアリティーが無くなっちまう。

投稿するとしたらその時は別の名になってると思うけどまた頑張ってみるよ。

[5777]
やあロビンミッシェルだ。

オイキタロウ先生、今度の作品は悲しい運命を辿った少年の悲しみと止める事ができなかった周りの人間模様がよくでた素晴らしい怪談だな!少年の性格の良さなども伝わってきて尚悲しみが深くなっている。

文章もテンポが良くて無駄がなく読みやすいし、神社のくだりはゾッとさせられたよ。次回作も楽しみにしているんでまた勉強させてくれ!…ひひ…

[5765]
お♪まともなコメントあんがとね。いろいろ用事ができて投稿が遅れてしまった。約束なんかするもんじゃねえな…。
[5764]
おつかれ、悲しい話だな。
[5763]
もう随分昔の話だ。

小3の二学期初日にS・悟という男が転校して来たんだ。田舎の学校で、出て行く生徒はいても転校して来る生徒は稀だったのでその日の事は良く覚えている。

とにかく汚い奴だった。まず鼻水を垂らしている。いや、正確に言うと、かつて液状だった物がゴリゴリに固体化し、それを新しいやつが濡らしている。

ランニングシャツの色が地肌とあまり変わらない。そもそも、戦時中じゃあるまいし下着で登校すんなよって話だ。

異臭が尋常じゃない。あれは間違いなく乾燥した大小便の臭いだった。

ま、簡単に言えば、人間の形をした汚物ってレベルだった。

普通に考えて、そんな奴は嫌われる。しかし悟君、女子には敬遠されたが、男子からは一定の評価を得る事に成功する。

身なりから予想はしていたものの、彼の貧しさが想像を絶するものである事を初日に知ってしまった事が大きかったように思う。あれが何日か後だったら扱いも変わっていたかも知れない。

何て、何て可哀想な奴なんだ…

生意気盛りの小坊を絶句させる程の彼の住まいとは?

転校するずっと前から通学途中にポツンと立っていた農機具小屋だったんだ。

「絶対に電気通ってないよな?」

「トイレってあんのか?」

「もしかして野糞?」

「あいつの親って何してんだろ」

「犯罪者とか?」

悟と別れた後は彼の話で持ちきりだったが、見下すような奴は一人もいなかったと記憶している。おそらくみんなが、自分の幸せを噛み締めていたんじゃなかろうか。

彼の処遇マニュアルは○○神社に立ち寄ってみんなで相談して決めた。

・女子に家の話はしない事(これはすぐにバレてしまった)

・多分親父はヤクザで組に追われている。だから働きにも行けない。金が無いからオヤツも買えない。明日から各自お菓子持参してここで一緒に食べよう

・給食の時は腹一杯食わしてやろう

あと、銭湯の息子には彼の無料利用を約束させ、服とズボンは浩介と隆利が二着ずつやる事に。俺は洗濯を受け持った。

だが翌日、それを悟に話した所即断られる。

「うちの息子は乞食じゃねえ」過去に父親が、学校に怒鳴り込んだ事があるらしい。

逃亡ヤクザ説も話したが、肯定も否定もせず困ったような顔して笑っていた。

小屋は叔父さん持ち物でしばらくの間使わせて貰うとの事。

「えー?叔父さんって冷たくね?」

俺が聞くと更に困った顔をして悟は答えた。

「迷惑掛けてるから」


その日の放課後、まだ暑かったので川で泳ごうって話になった。浩介が給食室からママレモン盗んで来て「泳ぐついでにこれで服洗え。くせえぞ悟」と命令する。

「ありがとう」

「服をやる」と言われた時には見せなかった笑みを浮かべて悟はそれを受け取ってた。





親父にバレなきゃいいんだろ?て事で神社で菓子食ったり、皆で銭湯に行ったりはしていた。

当時流行ったファミコンで遊んだりもしたが、悟が最も熱中したのは将棋だった。当時の棋力がどれ程だったのか判らないが、大人と指してもあまり負けなかったので二級くらいはあったと思う。

その俺が一ヶ月で全く歯が立たなくなった。駒の動かし方さえ知らなかった悟にだ。

勉強はさほどでもなかったから意外だった。多少ムカついたが中々やるじゃんって気持ちの方が強かった。「俺に勝ったら菓子やるぜ?」と誘惑し覚えさせた将棋だったが、「わざと負けてない?」と言われた時は流石にショックだったな(笑)。





悟が、親父に殴られたとかで鼻にティッシュ詰めて学校に来た日があった。その日は丁度雅樹の誕生日でクラスの男子全員(8名)が彼の家に集まる事になっていた。

雅樹はケーキ屋の長男。お誕生日会は毎年恒例の行事だったのだ。

「雅樹君のお母さんに鼻見られるのやだ」

異様に恥ずかしがる悟の手を無理やり引っ張って連れて行った覚えがある。

お好み焼き食ってケーキ食って、みんなでトランプしていた時だった。

誰かが聞いたんだ。

「悟、お母さんおらんみたいやけど死んだんか?」

悟は彼独特のはにかんだ顔で頷いた後、皆を凍り付かせた。

「首吊って死んじゃった。でも、いるよ。ごめんねごめんねっていつも謝ってる。今もいる」

誰も追及しなかった。悟が嘘を付く奴じゃないってみんな知っていたから。

個人的には、不思議と怖いとは思わなかった。

良かったなあ寂しくなくて、という感じかな。

今にして思えば、悟は頭が良くて優しくて、凄惨な環境の中でも、中東の避難民の子供みたいに明るく逞しかった。

人間の形をしたゴミは、まぎれもなく聖人だったのだ。

死んだ母親が見えると白状した事で、自らの霊感を隠す必要が無くなったのだろう。それからの悟は奇妙な発言をする事が多くなる。

「河童はいるよ」とか「宇宙人はあの世を通って地球に来てる」とかね。

そうそう、悟が聖人だと確信した出来事があるんだ。

いつも溜まり場にしていた神社で、浩介が本堂に土足のまま上がった時の事。

「ここはね、本当に神様がいるから、謝った方がいいよ」

珍しく悟が意見したんだ。

「神様ってどんな?」

すかさず聞く浩介。

「子供みたいな、でも子供じゃないんだ」

「証拠は?」

誰かが問い詰めようとした時だった。

カラーン

誰も触れてないのに、神社のデカイ鈴が鳴ったんだ。みんな唖然として鈴を見ていた。

その時、俺は見逃さなかった。悟が鈴じゃなく、鈴から垂れ下がる太い縄を見てニコッと笑うのを。

意外に頭が良い霊能者悟は、なんだかんだで存在感を増していった。清潔感も合格ラインを越え、女子からも好意を持たれ始める。まあ女子は、神社の話に食い付いたのがきっかけだったんだが。



十一月の終わり頃だったか、そんな悟が学校を休んだ。

「あいつんとこ石油ストーブって言ってたよな?」

「油買えなくて風邪引いたんじゃね?」

「行って見る?」

「やだ親父恐いし」

「だよな」

俺は二、三度父親を見ていた。元ヤクザ説を裏付けるような人相だった。

「今日は晴れてるから仕事(日雇い労働)に行ってんじゃね?」

「声だけでも掛けてみる?」

「だな」

その日は朝から綿雪がちらつく寒い日だった。俺たちは小屋の前で「悟くーん」と口々に声を掛ける。

返答は無い。

その時の、妙にザワザワする感覚を忘れられない。

死んでるんじゃないか?何故かふと、そんな気がしたんだ。

止めようとする仲間を制して俺は今にも崩れ落ちそうな板戸をギギィと引いた。

父親はいなかった。そして悟は、鼻から大量の血を流して倒れていた。

生きているのか確かめるのが怖かった。多分みんな同じ気持ちだったと思う。

悟の身体には触れもせず、俺たちは一斉に小屋を飛び出し学校に走った。涙が止まらなかった。

それからの事はよく覚えていない。

教師や親たちは、悟は無事で施設に預けられたという話に持って行きたかったようだが、生徒は皆、ニュースや噂で父親に殴り殺されたのを知っていた。何年後かに親に確認した所、小屋で既に息絶えていたそうだ。

神様と仲良しになれるような人間が何であんな人生なのか俺には解らない。

本当にいい奴だったのにね…





帰省した時には必ず、あの神社にお参りするんだが、神様なんか見えないし、(いらしたら鈴を鳴らして下さい)と何度お願いしても無視されてばかりだ。

でも、本物がいると思うと自然と気が引き締まるよね。

だけど時折、ふっと怒りが込み上げる事があるんだ。。

「何で助けなかった?」てさ。



合掌



[5762]
ま、今日、明日にでも何か投下するわ。言っとくけ ど本気のおいらは駄文など書かない。勝負は終わり ど本気のおいらは駄文など書かない。勝負は終わり だ
2015-02-01 15:52 編#575
↑オイキタロウこれどうなったんだ?駄文は確かに書いていないが投下もないぞ。
[5733] 復活
今回はおいらの体験談。広場に投下してもいいんだけど、ま、物のついでって言うじゃん(笑)



こんな俺にも大学に通っていた過去があってな。二年の夏休みだったか、狂ったようにバイトに明け暮れてた時期があったんだわ。

スープラSZ-R6速マニュアルがどうしても欲しくなっちゃってさあ。勿論新車でね。当時は「こいつは俺に乗られる為に生まれて来たんだ」とかマジに思ってて、寝る間も惜しんで日夜バイトに励んでたわけさ。

苦労して手に入れた物って大事にするもんでね。俺のスープラ、いまだにピカピカでバリバリ走る。

けど、今思うとその車のせいで危うく命落とすとこだったんだわ。

あの日は確か、コンビニ店員やった後、スナックの厨房に入り、帰宅してすぐにシャワー浴びてさ、三時間後には警備員の格好して、バイクで現場に向かったんだ。

いわゆる旗振りってやつなんだけど、その日は初めての現場でさ、これがまあ、退屈極まりない仕事だったんだわ。

前の週はずっと片側交互通行の車両誘導だったから、恐いお兄さんに怒鳴られたり、綺麗なお姉さんに見とれたりと、それなりに暇潰しが出来たんだが、その日は何と、でかい穴の横に立ってりゃいいってだけの任務。

その穴、直径が3m近くあり、上から覗くと20mくらい下で何かの工事してた。地下鉄の工事かな?とも思ったが、金さえ貰えりゃいいんで聞きもしない。

要は通行人が落ちないよう見張ってろって仕事。

その日は朝から暑くてさ。オフィス街の一角だったから9時過ぎるとまあ人が通らない。ビル群の中だったらまだ影もあるし良かったんだろうけど、街外れの公園の側だったから直射日光が凄いのさ。

更に悪い事にすぐ前の道路じゃアスファルトの舗装工事やっててな。視界全てが陽炎でユラユラ揺れるわけ。

あの時の自画像描いたとしたら、迷わずメット被ったムンクの叫びだな。

だりぃなあ…

疲労が頂点に達したまさにその時、「兄ちゃん、飯にすっか」後ろから声をかけられた。

「はーい」

俺は待ってましたとばかり振り向いた。その時点で前傾姿勢からダッシュした直後の体勢。半ば跳んでいる状態だった。

(わ!!)

目前にはデカイ穴。

連日の寝不足もあって、俺はあろうことか、背後にポッカリ空いた穴の存在をすっかり忘れてたんだ。

(オワタ…)

完全に、100%完全に死を覚悟した。どうせ死ぬなら頭から落ちて楽に死のうと思ったぐらいだ。

その時だ。

クン!!後ろから髪の毛を何かに掴まれたんだわ。凄い力だった。真っ逆さまに落下する体勢だったのに、持ち直すどころか、後ろに飛ばされたんだから。

俺は仰向けに倒れ頭をしたたかに打った。

「いってえなあ!!誰やねん!!」命の恩人に罵声を浴びせる俺。

後ろには誰もいなかった。

これだけの話。

不思議なのは、メット被ってたのに明らかに髪の毛を掴まれた感覚があった事。

ちなみに、「飯にすっか」と声を掛けたおっさん、その人反対側で通行人見張ってた連れなんだけど、何が起こったのか聞いても教えてくれず、その日から妙に俺の事避け始め、しばらくしてガードマンを辞めてしまった。

穴の存在を完全に忘れた状態で、声を掛けられるまでにも結構ウロウロしてたのに、よく落ちなかったなと今振り返ってみてもゾクゾクするよ。




「死ねば良かったのに」

はいはい、君の言いたい事先に言っとくよw

[5728] 約束 (訂正)
更に訂正。管理人さん前の二つ消してー笑

一応管理人さんのお墨付きを頂いたという事で第4弾!!体験者や現場の実在にこだわり続ける、おいらの憧れおおぐろてん氏。これは彼の知人が体験した話だ。オカルトマニアとして、是非とも彼の存在を知って欲しい、そんな願いからの投稿。記憶違いで若干内容が変わってるかも。(ニコ生『薄気味悪い話』より)

※ちなみにコメントいらね。きりがねえし(笑)





Kさんが高校生の時の話だ。

場所は広島県の山深い小さな村。学校の帰り、夕日が周囲の田畑をオレンジ色に染め上げる中、彼はひたすら家路を急いでいた。

舗装された道路から、未舗装の、軽トラがやっとの細い山道に入る。そこは両側に雑草が生い茂り、日中でも滅多に人と出会う事の無い寂しい道だった。Kさんはいつもそこを近道として利用していたのだ。

ジャリ、ジャリジャリ…音をさせながら黙々と自転車を漕いでいた彼だが、ふと、道の先に人が立っているのに気付いた。

「最初は、何かの影かな、と思ったんです。夕焼けの中、ポツンとそこだけくすんでて…」

妙に小柄な女性だった。いかにも疲れ果てた、精も根も尽き果てたという感じで天を仰ぐように顎を出している。力無く両腕をだらんと下げ、脱力しきったように呆然と立ち尽くすその様は、それだけでもかなり異様なのだが、Kさんの目を釘付けにしたのはその体型だった。女が身にまとっていたのは色褪せたピンクのマタニティワンピース。お腹の膨らんだ妊婦だったのだ。

(何でこんなとこに!?)

あまりの違和感に自転車の速度が遅くなる。

(怖い…)

本能的にそう思った。

本来ならば、一目散に救助に向かうべき状況なのに、どうしてもそんな気にならない。

女は、間近に迫るKさんに気付いてすらいない様子で、ピクリとも動かず端に避けようともしない。

ザッザザ…彼は関わりたくない一心で左足が雑草に当たるくらいにまで道の左端に寄った。

目が合わないように、声を掛けられないように、視線を下に向けたまま、通り過ぎようとしたKさん。しかしそのせいで、更に嫌な物を見てしまう。

薄汚れたシャツの袖から垂れ下がる両腕、マタニティードレスのすそから出た膝から下の両足は、刃物で切りつけたような無数の傷でズタズタだったのだ。ごちゃごちゃと無造作に絆創膏が貼られているが、赤黒い傷痕を隠しきれていない。

全身に悪寒が走る。

(ヤバい…)

一刻でも早くそこを離れたいKさんはペダルを踏む足に力を込める。

最初、何が起きたのか分からなかった。

視界の端に頭部とおぼしき黒い塊のような物がある。思わず目をやると髪の毛、耳、そして顎のラインが見えた。

(見ちゃ駄目だ!!)

なんと女がKさんのすぐ横を、おそらく擦れ違った瞬間と全く同じ姿勢のまま、まるで一枚のポスターが貼り付いたかのようにピタッと付いて来ているのだ。

前方に向き直すと無我夢中で足を動かす。だが思うようにスピードが上がらない。夢の中で何かに追われていて、どんなに走っても逃げ切れない、ちょうどそんな感覚だったという。

ウォンウォンウォンウォン…

気付くと、モーター音というか、機械音のような音がどこからか鳴っている。

全身から汗が噴き出す分かった。

(あ!!)

それまで微動だにせず、擦れ違った姿勢のまま、滑るように付いて来た女の顔が、いつの間にかKさんに向けられていた。

悔しい…

(え!?)

悔しい…悔しい…悔しい!!悔しい!!悔しい!!悔しいの!!

(やめてくれー!!)

なあ聞いてくれ、と言わんばかりに女はググッと彼を覗き込んだ。

悔しいの!!悔しい!!悔しい!!悔しいの!!悔しいの!!

女の怒り、哀しみが今にも爆発しそうな、そんな鬼気迫る情念というか怨念に満ちた悲痛な泣き声が耳元で延々と続く。

気付くとKさん自身が絶叫していたという。

「分かった!!もう分かったから!!あいつは悪い奴や!!辛かったなあ!!哀しかったなあ!!よっしゃ俺がな!!恨み晴らしちゃる!!責任持ってそいつ見付け出してボコボコにしちゃる!!まかせとけ!!」

(頼むから消えてくれ!!)そんな思いからKさんは半狂乱で叫び続けた。





(あ…)

景色が変わっている。

前を車が横切った。

全身汗びっしょりで、顔は涙と鼻水でドロドロになっていた。

「我に返った時は車道に出てました。不気味な音も鳴り止んでた。見渡しても女はいない。後で調べたんですが、その場所で事件や事故の記録は無く、結局、あの女が何者なのか全く分からないんです。ただ、一つ気になるのは…」

Kさんは顔を曇らせる。

「あれって女と約束をしたって事になるんですかね…」




[5660] ツバサちゃん
そろそろ全削除かな?拾った動画シリーズ第3話いくぜい。多分これが最後だな。管理人さんご迷惑お掛けしております。


「そういうのとは無縁だと思ってたんですけどねえ話を聞くまでは」

Yさんは現在28歳。マスコミ関係の仕事をしているらしい。

「母親もオカルトは大の苦手で、まさか母の口から幽霊話が出るとは思ってもいませんでした」

彼がまだ大学に通っていた頃、正月で帰省していた彼に、母親が唐突に尋ねたという。

「あんた、ツバサちゃんって覚えてる?」

Yさんに記憶は無い。

「確か…三歳くらいだったかなあ…あんた一人で遊んでる時ね、いつも誰かと会話してたのよ」

全くの初耳である。

「その頃は、熊のぬいぐるみがお気に入りでね、最初の頃は楽しく遊んでるな、くらいにしか思わなかったんだけど。それが、変なのよ」

「変?」

「いつも会話がピタッと止むの。それまで凄く楽しそうに喋ってるのに、それこそピタッと。何となく気になってね、ある日それとなく聞き耳立ててたら、バイバイと言ってから急に静かになって」

「へえ~」

「おかしいでしょ?ぬいぐるみが話し相手なら目の前にいるわけだし」

「確かになあ」

「それで、一度聞いてみたの。いつも誰と遊んでるの?って」

「で、俺がツバサちゃんって答えたわけ?」

母親は頷いた。

「ツバサって子親戚にもいないし、そう考えると不安になっちゃってね、止せばいいのについ、その子、どこにいるのかなあ?って聞いたら」

既にYさんは興味津々である。

「あんたニコっと笑ってね、天井の隅っこを指差すの。で言うわけ。あっこから来てあっこに帰るの、って」

「初めて聞いたわそんな話」

「私も口にするの、何だか気味が悪くてね。あんたが誰かと話してる時なんか恐くて恐くて、お父さんに相談しても子供にはよくある事だって言うし。で、しばらく様子見ようってなったんだけど、外で遊ぶようになってからは徐々にね。それで安心してたら…」

「まだあんの?」

「あんたの従妹のK美がね、確か、まだ三歳にもなってなかったと思うんだけど、一週間程ウチに泊まった事があってね」

「まさか、K美もツバサって子に会ったとか?」

「そうなの。あの時、私掃除してたんだけど、仏間でK美が誰かと話してるのが聞こえたの。少し好奇心もあって。同じ名前が出た時はもう驚いちゃって」

「ツバサって子がいたのかもね本当に」

「それに私見たの。あんたはリビング、K美は仏間なんだけど、同じように天井の隅っこ見ながら手振ったのよ」

「座敷わらしかな?」

「さあねえ…だといいんだけど」

Yさんがツバサという名を耳にしてから二日後。

帰省最後の夜を、特に何をするでもなく、正月特番をチラチラ見ながら過ごしていた彼は

そろそろ寝るか…

とテレビのリモコンに手を伸ばした。

その時である。

タタタタ…

遠くから駆けて来る足音を耳にしたのだ。

その音は上の方から聞こえていた。

タタタタ…

明らかに子供の足音だった。

タタタタ…

どんどん近くなる。

パチン!!

いて!!

Yさん、リモコンを掴んだままの手の甲を何かにはたかれたのだという。

タタタタタタタタ…

その足音、今度は天井を通り抜け屋根を突き抜け、ずっとずっと上の方へ遠ざかる。

いつしか音は止んでいた。



「あれはね、ツバサって子が、私、まだ見てるよ、って伝えたかったんだと思うんです。それ以降、そんな事は起きてません」

僕はYさんに、率直に感じたままの言葉を口にした。

「律儀な霊ですね。バイバイと言ってちゃんと帰る所とか」

「はい。多分、とっても良い子です」

Yさんは嬉しそうに微笑んだ。


[5634] 赤鬼の棲む山
これも拾った話。文章にするとあまり怖くないかも…。


熊本県に水のきれいな事で有名な山があり、毎年、多くの人が、県の内外からそこの湧き水を汲みにやって来る。

ペットボトルをいくつも引っ提げて山ん中に入って行くわけだ。汚染で水道水も飲めない中国でもあるまいに何でわざわざ?とも思うのだが、日本人て妙な所にこだわるからな。

しかしその山、そんな、ある意味平和な光景からは想像も出来ない程の、恐い、別の顔を持っている。

通常、山で行方不明者が出た場合、その死体が発見されるのは何日か後になる。まあ、早くても翌日だろう。

だがその山、大昔から、その日の内に見付かるのだ。

何故か?

烏が騒ぐからである。その事は警察も地元の消防団も役場も知っていて、捜索願いが出される前に発見される事も珍しくないという。

そして、その死体、殆んどが仰向けに横たわっており、顔だけがぐちゃぐちゃの状態で発見される。どういうわけか、烏の群れが顔だけをついばむのだ。

皮が剥がされ、目ん玉がくり貫かれ、舌も引き抜かれた、真っ赤な顔の亡骸が、顔面以外はほぼ無傷で倒れている。

そんな異様な事がその山では昔から当たり前のように続いているのだ。

その山の赤鬼伝説は、それが発端になっているのではないかと言われている。

顔だけが赤い→赤鬼の仕業に違いない、というわけだ。



その山には、立ち入ってはならない場所があり、そこが赤鬼の棲む聖地だとされている。

年に一度、秋に催される例大祭の日だけ、関係者のみその地に足を踏み入れる事が出来るのだ。

その際もしきたりがあって、左足から入らないといけないらしい。

ここからは都市伝説じみた話になる。

もしも、そこを聖地と知らず踏み入った場合、どこからともなく、声を掛けられるという。

「おーい、おーい」

この声を聞いた時点で半ば烏の餌食になるのを覚悟しなければならないそうだが、静かにしていて無事だった者もいる。だが、返事をしてしまったら助かる見込みは無い、とか。

赤鬼の手から確実に逃れる方法はただ一つ。「おーい」と呼ばれたら「おーい」と返す。そうすれば山びこだと勘違いして助かるのだそうである。



[5616] センサー犬
面白い実話怪談を見つけたので紹介するね。語り口調を文字におこすの大変だけどやってみる。動画サイトで拾った話なんで自分の唯一の投稿話のコメント欄に書く事にする。ウプ主は訴えたりしない人だから大丈夫。



不動産関係の営業マンKさんは運動不足解消の為深夜のジョギングを始めた。その事を会社で話すと近所に住む後輩も一緒に走りたいと言い出した。

少々退屈に感じていたKさんは喜んで承諾し、翌日から、最寄りのコンビニを夜中10時に出発、往復八キロの道のりを二人で走る事になった。

「一人で走っていた時から気になってたんですけど、途中、必ずと言って良い程犬が吠える大きな家があるんですよ」

前を通るとセンサーが反応し、玄関に明かりが灯る。それとほぼ同時に「ワオーワンワン!!」とけたたましく吠えるのだ。

深夜だし、あまり迷惑を掛けたくないKさんはなるべく道の反対側を走るようにしていた。それでもセンサーが強力なのか、少しでも中央によると明かるくなって吠える。

二人で走るようになってからは、どうせ短い間だからとあまり気にしないようにしていた。

ある夜、合流地点のコンビニで後輩がふと気になる事を口にする。

「あの家の犬、玄関が明るい時しか吠えませんね」

言われてみれば確かにそうだった。センサーが反応していない時に犬が鳴いた記憶は無い。

Kさんはふと、犬の声とセットになっている新しいタイプの防犯センサーじゃないかと思い、それを伝えたんだが、「なるほど~」と納得した様子の後輩に当のKさんは同意出来ずにいた。鳴き方が常に同じという確信がどうしても持てなかったからだ。

走り出して約30分、その家が見えてくる。Kさんは後輩に走るのを止めるよう促すと怪訝そうな後輩を横目にゆっくりと近付いて行った。

いつものように玄関が明るくなる。が、その夜に限って犬が全く吠えない。そんな事は初めてだった。

「鳴きませんね?」

「ああ…」

不審者だと思われたら厄介なので静かに通りすぎる。

背後が暗くなる。ついに犬は一声も発しなかった。違和感が増幅していたKさんは何となく振り向くと視線を家の門に向けた。

玄関の横に男がいた。

薄暗がりだが、スーツを着た男だと分かる。

ゾッとしてすぐ横を歩く後輩の脇腹に肘で合図を送ると後輩も男に気付いた。

言い様の無い不気味さに、以心伝心、二人とも自然と早足になる。

家から100m程離れた時だった。

Kさんは、背後に強烈な気配を感じて振り返った。

「一瞬、クラクラして倒れそうになりましたよ。玄関脇に立っていた男が走って来るんです。スーツにネクタイの痩せた男が一直線に近付いて来る」

近付くにつれその男がニヤニヤ笑っているのが見てとれた。

「信じちゃ貰えないかも知れませんけどね、そいつさ、笑いながらいきなり叫んだんです。ワンワンワンワン!!!」

「ギャー」

後輩がKさんを置いて走り出す。

「ひゃあああぁぁ」

Kさんも夢中で後を追った。



「幽霊なのか、おかしな人なのか分かりません。確かめる気もありません。ジョギングも止めました」

半年以上経ったが、Kさん、いまだにその男が夢に出て来てうなされる事があるという。


この記事に投稿


※天通の発信ポリシー

人気記事紹介    感謝アンテナ様【 P!アンテナ にゃんてな!
*おすすめタグ*

あなたに縁のある投稿
アクセスカウンター
天通イベント棚
★おすすめ本2選

★おすすめサイト2選
スピリチュアリズム 天門庵