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【怪談】死を招く黒い手/HN:ドクロン

死を招く黒い手/HN:ドクロン


ある時期に身の回りに死が立て続けに起きたことがあった。

この方が亡くなったのが直接の原因かどうかはわからない。ただきっかけとなってしまったのは間違いないようである。

これは数年前のこと。N氏が亡くなった。N氏と親交があったY氏はN氏の葬儀に参加した。

葬儀が終わり帰ろうとすると、こそこそと人気のあまりない会場のそばで誰かが話をしているのが聞こえた。聞くともなく聞くと

「ああやつが死んで清々したよ。俺なんかよくやつに生前痛い目に合わされたからな」「俺も俺も」と、何人かの人間が死んだN氏の悪口を言っていた。

その中のひとりに目をやるとY氏も知っているK氏だった。(優しいK氏があんな事を言うなんて、意外だ)。そう思ってると、K氏の肩に何か黒いものが見えた。

なんだろうと思って見てみるとそれは黒い手だった。黒い手に気づくとすぐに引っ込んでしまったが、当然その手は誰の手でもなくこの世のものとは思えないものだった。

その翌月、今度はK氏が亡くなった。どんな亡くなり方だったかはわからないが、急な死だった。

Y氏はそのK氏の葬儀に参加した。すると、今度は式の参列者の中にM氏というY氏の秘書がいる。その秘書の肩に、この間N氏の葬儀で見たK氏の肩にあった黒い手が乗っていたのである。

悲鳴をあげそうになるのを我慢し、なんとも気味の悪いものを感じた。当然ながら思った。(またK氏のようにあの秘書も亡くなるのではないか)。


そんなことがあってから二年が過ぎた。秘書のM氏が自殺をしたということが人づてにわかった。黒い手のことも少し忘れかけていたが、嫌なことを思い出してしまったと内心思った。

その時なにげに目の前にいた自分の部下のHの肩口に、あの黒い手がもぞもぞとおぞましくうごめいていた。

思わず、(ひゃあっ)と声をあげた。だが、次の瞬間に見たときはもう黒い手はなかった。

(勘弁してくれ)と思いながら、まさかHも死ぬのかと思ったが、Hのことは来る日も来る日も心配していたが、風邪ひとつ引かず元気な姿で出社していた。

そんなある日のこと。Hが書類を自分のところに持ってきた。

「〇〇の書類持って来ました。確認お願いします」

その時Hの顔を見てひっくり返りそうになった。Hの首から顔中がまるで墨でも塗ったかのように真っ黒だったのだ。

最初は部下の悪戯かと思ったのだが、(おい)と声をかけようとした時にはもう元の普通の顔に戻っている。

周りにいた部下たちが不思議そうな顔で自分を見ている以外は何も変なところはない。ごまかすように「ネクタイ変えたか?」とHに言うと、Hは「安物ですが」と言った。

それから、数日してHが急に会社に来なくなってしまった。(どうしたんだろう)。そう部下たちも心配していた。

Hは会社でも真面目な男でお酒も煙草もやらないやつだった。これでは部下たちに示しがつかないとY氏がHのアパートへ行くことになった。

Hのアパートは会社から車で一時間ほどの場所にある。アパートに着くと駐車場に車を停め階段を上がり、Hの住む302号室の前に立つと右横にある呼び鈴を押した。

呼び鈴を数回押したものの返事はなく、カーテンもしまっているようでいる気配はない。(出直すか)そう思い階段を降りようとしたとき

後ろからドアの開く音とともにHの声がした。

「わ、Yさん、いらしてたんですか」

振り向き「いらしてたんですかじゃないよ、会社にも連絡よこさないでどうしたの?きみらしくないよ?」

そう言うと、Hはとにかく上がってくれという。部屋を閉める際にきょろきょろとまるで確認するように周りを見ていたのが今も印象に残っている。

急かすように中に入れられたY氏は、Hの事情を聞いて何も言えなくなってしまった。その事情とは

「信じてもらえるかわからないけど黒い奴がわたしを狙ってるんです。人間じゃないんですよ。そいつは隙があると中に入って来ようとしてわたしに笑いかけてくるんです。とにかく真っ黒い奴が」

真っ黒い奴と聞いて、あの(黒い手)のことが頭に浮かんだ。Hがいう真っ黒い奴と二度の葬儀に見た黒い手、関連性はあるのか。いや、同じに思えて仕方ない。

黒い手とHのいう黒い奴が同じなら、あの黒い手に狙われた二人はあの世に連れて行かれたということになる。見てしまった以上、バカになどできる筈もなく信じずにはいられない。

Hの部屋を見ると窓にはカーテンがある窓以外は新聞紙が貼られていた。聞けばあの黒い奴が覗くから嫌なんだという。しかしなぜかあのカーテンの窓からは覗かないと言っていた。

まあ人間じゃない奴の考えなんてわからないが、ただとりあえず事が事だけにそのままにはしておけない。療養ということで書類を書かせて、Y氏はその日は帰った。

それから何週間かが経ったとき、Y氏のところに療養中のHから電話があった。非常に焦った様子でしどろもどろに

「わ、わ、Yさんたすけてください。あの黒い奴がとうとう部屋に入ってきたんですいま目の前に…ぷつん」

電話はそこで切れてしまった。理由をつけて仕事を早めに切り上げ、慌ててHのアパートへ向かった。

ノブを回すとドアは開いていて、中に入るとHがぼう然としたような顔で床に座っていた。その手には小さな御守りが握られていた。

念のため病院に運んだが、特に怪我もしておらず、大事にはいたらなかったものの、Hにはその黒い奴の記憶がないらしく奴のことは一切覚えていなかった。

それから周りで死が続くようなことや、黒い手を見たりすることはなくなった。Hも今は元気に会社に通勤している。

(追記)

Y氏の部下Hの手に握られていた御守りはHの祖母がくれたものらしく、あの黒い奴が唯一覗かなかったカーテンの窓からちょうど見える壁に吊しておいたということだ。

それをとっさに握ったという。祖母の力か御守りの力かはわからないが、Hの命を救ってくれたのはその御守りなのだろう。

あの黒い手やHの見た黒い奴が何者か、またY氏とHが見たものが同じなのか、それはわからない。ただ、あいつが亡くなった二人に何がしかの方法で死に至らしめたのは間違いないと思う。



2013年12月30日(月) 13:12
ドクロン ◆WrQmn0zw
※天通の投稿広場より掲載
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コメント

[2888] ☆毒論☆

私は行きたいですが、なにぶん時間がないもんで(汗)

お大事に~
[2887]
ドクロンさん、お・ひ・さ~♪お元気そうで何よりです。この話、ありそうで怖いですね。ニョロは某心霊スポット行ってから後、ひどい頭痛に悩まされております。あそこは確かに関東最凶かも知れないな。ドクロンさんなら知ってるかな?旧国立療養所中野病院跡地。いたこさんやamさん、かまど猫さんらがネトラジで盛り上がってたとこです。あ頭いて…

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