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【怪談】笑顔/HN:0.血苺

笑顔/HN:0.血苺


私の叔母が小学生の時に、学校の先生から聞いた話です。

その先生が子どもの頃、同級生にM子ちゃんという女の子がいました。

M子ちゃんは、父親が蒸発してしまっていて母親と二人暮らしでした。そのM子ちゃんが、急に学校に来なくなってしまったのです。

当時は家庭に電話も無かった為、担当の先生と、M子ちゃんと仲の良かった女子と二人で家を訪ねました。

外から呼び掛けても全く返事は無く、担任が試しに戸に手を掛けると、難なく開いたそうです。

昔の日本家屋です。中は薄暗く、ふた間しか無い部屋の奥まで、ぼんやりと見渡せました。

「!!」

誰も居ないと思ったのに、奥の部屋に人影を見て、二人はギョッとしました。

不自然な事に、部屋の真ん中に足踏みミシンが置いてあり、誰かがそのミシンに向かっているようなのです…玄関の方を向いて。

「Mちゃん!」

M子ちゃんの友だちが叫びました。

その声に反応して、俯いていた人影が顔を上げました。その人影…M子ちゃんは、二人に満面の笑顔を向けました。

「M子…学校休んでどうしたんだ?心配したんだぞ」

担任がそう話しかけましたが、M子ちゃんはただ笑顔を浮かべています。

「…?」

訝しんだ二人は、その時漸く、漂ってくる生臭さに気付きました。

「M子!一体どうしたんだ!」


痺れを切らして部屋に上がりこんだ担任は、そのまま腰を抜かしました。

M子ちゃんは、ミシンに向かっていたのではありませんでした。下半身が切断され、その上半身だけがミシンの台に乗せられていたのです!

更に、その顔も…鼻や唇を削ぎ落とされていて、まるで原型をとどめていなかったそうです。

だけど、担任もM子ちゃんの友だちも確かに、M子ちゃんの笑顔を見たのです。

足踏みミシンは、M子ちゃんの母親が生計を立てる為に使っていた商売道具でした。その母親の行方も、結局分からなかったといいます。


子どもの頃妙に怪談に凝っていた私は、叔母にせがんでこの話を訊きました。

当時は、幽霊も出て来ず、尻切れトンボなこの話を物足りなく感じたものでしたが…今は、一番印象深く思い出します。
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コメント

[2860]
感想ありがとうございます。
私の再現能力が乏しいので、恐怖を伝え切れてませんがσ^_^;

ミシンもオルガンも、足踏みってムードありますよね。
[2854] 尻切れトンボ
…つうか、トンボやありませんね。親類の家の錆びていて大きい輪っかのついた足踏ミシン思い出してリアルに怖いです。

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