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【怖い話】愛を求めた末に/HN:ロビンM

愛を求めた末に/HN:ロビンM


やあロビンミッシェルだ。

これは五年前に実際に起こった実話だ。

正直、投稿するかかなり迷ったが、こういう悲しい生き方をした女性もいたという事を知ってもらいたくて投稿する事にした。長い割に怖くないかも知れんが、付き合ってくれれば有難い(場所と名前は変えている)。

その日俺はキャバ嬢や風俗嬢達が大半を占める、レディースマンションの302号室の前にいた。チャイムを鳴らしノックをしたが応答がない。仕方なく合い鍵を使ってドアを開けた。

足元を見るとハイヒールやブーツが所狭しと無造作に脱ぎ捨てられている。廊下にもゴミやら服などが脱ぎ捨てられていて、ゴミ屋敷とまではいかないがとても女の一人暮らしとは思えない有り様だった。

ロ「おーい!亜希子!おるんか?あがるぞ?!」

昼間にもかかわらず向かいのリビングには電気が点いており、微かにだがテレビの音も聞こえてくる。リビングを見渡すと廊下同様物で溢れている。越して来てから一度も掃除してないのが見てとれた。

そしてテーブルの横には布団が敷いてあり、そこに横たわっていた。掛け布団もかけずにパジャマ姿のままの亜希子…目は見開いたまま。口も少し開いていた。

そして今でも忘れられない、顔色は『黄緑色』だった。一目で死んでいると分かった。

俺は部屋を飛び出し、すぐさま警察に連絡を入れた。第一発見者の俺は、被疑者として当然警察署に連れていかれた。

一階の長椅子で3時間程待たされた後、刑事に「今日は帰っていい!遺体を解剖してから後日事情を聞く。逃げるなよ!」と言われ警察署を後にした。

警察署を出て10m程歩いた所で、

『ブチッ!』

と音がして、俺の左手首に巻いていた数珠が千切れ、そこら中に転がっていった。悪寒が走った俺はその足で高◯山へと向かった…


二日前の金曜日の夕方、俺は亜希子と電話で話している。家賃の支払いの件である。いつもは店まで持って来るのだが、少し体調が悪いので今回は家まで取りに来て欲しいとの事だった。

死んだとすれば、金曜日の夕方から日曜日の昼にかけての筈だ。先月見た時は体調が悪いようには見えなかったのだが…

俺は高◯山で五千円を支払い、亜希子の為に読経をあげてもらった。戒名は分からないので本名でだ。

帰りの車中で店のスタッフから電話が鳴った。店の自動ドアが急に何の前触れも無く、ヒビ割れてしまったというものだった。防犯用の針金入りの強化ガラスが、突然割れたというのである。

それからの数日間は度々奇妙な現象が続いた。テーブルの上のグラスが勝手に倒れたり、ブレーカーが勝手に降りたり、呻き声を聞いたと言う女の子もいた。亜希子は成仏していないと思った…

亜希子がうちの店に面接に来たのは、今から7年前になる。当時22歳の彼女は、地方から大阪に就職でやって来て暫くOLをしていたのだが 、彼氏も無く寂しい毎日が続く中、ホストクラブにハマってしまった。そしてその店ナンバー2のジュンに貢ぎ始めたのだ。

彼の誕生日には10万もするシャンパンを卸したり、彼に振り向いてもらう為に惜しみなく金を使った。そして言われるがまま店に足を運んだ結果、二年かけて貢いだ額は家を二軒買える程のものだった。

彼女の実家はかなり裕福だった為、借金の半分は無理をいって貸して貰えたのだが、残りの半分はどうにも都合がつかず、困った末にうちの店に面接に来たというお決まりのパターンだった。

すでに会社も辞めており、家も家賃滞納でもうすぐ追いだされると涙ながらに訴えてきた亜希子を俺は雇う事にした。住まいはうちが所有するレディースマンションに住まわせた。

それから彼女はほとんど休み無しで働いた。器量はなかったがサービス抜群だった彼女は、次第に彼女目当ての客も増えて行き半年もすれば店のナンバーワンにまで登り詰めていた。

しかし風俗嬢というのは大変な仕事である。大概の子は身も心もボロボロになっていき、最後には飛んでしまう子も少なくない。半年前に比べて明らかに痩せてしまっている亜希子に休みを取れと言っても、

「大丈夫です。借金返すまでは頑張ります!」と言って聞かなかった。

しかし厄介な事に、その時も亜希子は時々ジュンに会っており、さすがに店にまでは行かなかったらしいが、会う度に食事代や服などを買い与えているようだった。これでは幾ら働いても一千万以上もある借金が返せる筈もない。

ジュンはこの界隈では有名で、ボロボロにされた女は両手ではきかない。まぁそれぐらいしないとナンバー2にまでは登り積められないのかもしれないが…

亜希子は結局1年程働いてうちの店を辞めた。稼ぎのいいソー◯ランドに行くという理由だった。俺は止めなかった。

しかし住む場所が見つかるまでは、今のマンションに住まして下さいと頼まれたので、今まで頑張ってくれた亜希子を信用してそのまま住まわせてやる事にした。

あれから一年…まさかこんな事になるなんて…

一週間後警察から連絡があり、俺は警察署で解剖結果を聞いた。死因は肺に水が溜まっておりそれによる病死だという事だった。

詳しい病名までは教えてくれなかったが、外傷も無い為、俺は今までの経緯だけを話し、三時間程の簡単な調書だけで帰る事ができた。しかし最後に刑事が言った言葉が引っかかった。

死後3日以上…

そんな筈はないのだ。先にも書いた通り、俺は2日前に亜希子と電話で話しており、着信履歴にも記録が残されている。しかし俺はその事を刑事には話さなかった。

彼女の両親も来られていたが、母親の方が酷く取り乱していた。結局、亜希子は大阪で火葬されて骨だけが故郷へと帰っていった。

数日後、店で亜希子と仲が良かった美海と話をしていると、こんな事を言いだした。

亜希子がうちの店を辞めてからも友達関係は続いており、友達の少ない亜希子は何でも美海に話していたという。勿論ジュンの話も…

ソー◯に行ってからもジュンとの仲は続いており、実際前以上に貢がされていたらしい。美海は勿論友達として別れろと助言したのだが、

「ジュンがあと二年したら結婚してくれるって言ってくれたの!!」と言って聞かなかったそうだ。

借金は減る所か更に膨らんでいたとも…俺はその話を聞いて流石に怒りがこみ上げてきた。

ロ「ホストって奴はどこまで追い詰めたら気が済むんじゃ!!」

俺はテーブルをドンと叩いた。

甘い言葉を餌にトコトンまでしゃぶり尽くす! 多分ソー◯に転職させたのも他ならぬジュンだろう。金払いが悪くなってきた亜希子を上手く説得して働かせたに違いないんだ。

実際 『ホスト』『風俗』『闇金』は裏で繋がってる場合が多く、亜希子は正にカモとして利用されていたのだろう。

亜希子の父親が後にジュンの存在を知り問いただした所、結婚する気など全く無かったと開き直っていたという。

俺はこの際この野郎を詰めてやろうかとも考えたが、そんな事をしても亜希子が帰ってくる事はない。それに俺自体もこの辺で商売がしにくくなるだけだ。それに悲しいが、ジュンにそれが『仕事』だと言われれば返す言葉がないのである…

警察が遺体を運び出す際亜希子の財布を調べた所、所持金はたったの千円札一枚だったらしい。俺はそれを聞いて涙が出た。

ロ「お前は何の為に必死で頑張ってたんだよ…」

その後、亜希子が亡くなった部屋は女の子が入る度に体を壊し辞めてしまう子が相次いだ為、その部屋は倉庫として使う事になった。

俺は亜希子の一周忌と三周忌に美海と共に彼女の墓まで手を合わせに行った。そして三周忌が終わった数日後に亜希子が夢に出てきた。

彼女は無表情であったが、ジッと俺の目を見つめてきた。妙にリアルな夢で本当に彼女がそこに居る様だった。

俺は、

ロ「亜季子!俺は一周忌も三周忌も手を合わせた! もう俺の前には現れんな! お前は早く行くべき所に行け!!」

と少々キツい事を言った。

すると亜希子は何も言わずにスーッと消えていった。

それから暫く後…うちの店のスタッフが街でフラフラと歩くジュンを見かけたらしい。その顔は病的にゲッソリとやつれており、とても本人とは思えないほどに変わり果てていたという。

俺は早く天国に行けと言ったつもりだったのだが、どうやら亜希子は死して尚も、ジュンの傍に居るようである…

【了】


※ ( 後日知った事だが、硫化水素自殺は顔が緑色になるとあった。もしかしたら亜希子も自殺だったのかも知れない… )



2013年12月20日(金) 02:00
ロビンM ◆eBcs6aYE
※天通の投稿広場より掲載
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コメント

[2541]
>>2512
やあロビンミッシェルだ。
コメントありがとう。
因みに後日談とまでは行かないが、
あの後ジュンは何かでかいヘマをやらかしたみたいで現在行方不明だ。
…因果応報…
最近憶えた言葉なんだが、まさにそうだなと思うよ。

まあ俺も因果応報に怯える一人だがな…
…ひひ…


[2512]
読んでいて悲しくなり、涙が出てしまいました。

ジュンが許せない!


でも、ホストってそういう仕事なんでしょうね…。

亜希子さんの成仏を願います。


[2510] 管理人様
↓まだ残ってます(泣)。
[2471]
男も女もあり得ない程の馬鹿がいる。結婚したい相手に『ソープで働け』などと言う男はいない。時としてそんな簡単な事も判らなくなる。いや、薄々気付いても強引に打ち消すんだ。認めたら生きていけないから。端からみたらただの馬鹿。ただ、下手すりゃそんな愚かな人間に自分がなっちまうかも知れないから人生はやっかいだ。

やまっち妻さん…自分は愚かな人間とは無縁、そう思ってやしませんか?
[2464]
確かに君の言う通りだな。
やあロビンミッシェルだ。

酷い扱いは受けたものの、愛する男の為に過ごした時間は亜希子にとって幸せだったのかも知れんな。
俺は正直、ジュンを許せんかったし亜希子に対してもクズ野郎に惚れてしまって可哀想だとずっと思っていた。

亜希子は短い生涯だったが、一生懸命生きた分悔いは無いのかもな。
人は生きてる限り、皆幸せになりたいと願っている筈だ。
俺事で申し訳ないが、何度も人生の壁にぶち当たり、躓き、人に迷惑をかけまくり、
正直、人生の目標も幸せも見失いかけているのが現状だ。
ただダラダラと毎日を生き、早く一日が終わればいいなぁなんて思ってる。
これじゃあジュンを非難する資格もないな…
今回この話を書いて、亜希子には色々と教えて貰っている事に気づいた。
忘れかけていた物を思い出した気がするよ。

まぁ何が言いたいのか自分でもよく分からんが、兎に角一分一秒を無駄にしない様に生きる。
… これかな? …ひひ…






[2460]
やあ、ロビン・ミッシェルさん、投稿広場からの掲載おめで~す!ひひ
どーも、ロビン・ミシェールって言ってしまう…な。ひひひ…。

人は…死ぬ、その瞬間まで、幸せな人生であったか不幸だったか結果なんて、当の本人でも言い切れないと思います。でも、辛い人生でも最期が幸せであれば、その人は幸せな人生だったのでしょう。
また、端から見て不幸そうでも本人は幸せってこともあります。作中の彼女は、不誠実な男性に尽くし続けて裏切られても案外本人は幸せだったかもしれません。とはいえ、人生の最期に誰にも看取ってもらえず、気づいてもらえず、一人寂しく旅立つのは悲し過ぎます。気の毒な女性ですが、「可哀想」というのは、あまりに上から目線の傲慢な言葉なのでやめておきます。

なんてことを考えさせられた作品でした。

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