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【怪談】アンティーク着物

アンティーク着物


748 本当にあった怖い名無し sage 2005/12/09(金) 18:54:27 ID:FjgSlwyT0

うちの姉が以前、すごいアンティーク着物に凝ってた。それこそ箪笥と行李を新しく買うぐらいに。

確かに見ていて綺麗だなーとは思うが、当時リア厨だった俺には、何でそこまで買い漁るのかがさっぱりだった。

そんな一昨年のゴールデンウィーク頃、姉が京都にデートに行った帰りに、昭和初期くらいの訪問着(と言ってた)を持って帰ってきた。鶯色で梅とか松とか、おめでたそうな柄だった。

姉は「彼氏が選んでくれた~vv」と姿見の前で羽織って大騒ぎ。母と祖母も二人で「綺麗やわ~」とか「ええ物やわ~」と大騒ぎ。

俺はというと、和室で親父とごろ寝しながら騒ぎを聞いていたんだが、いきなり姉母祖母が押し寄せてきて、親父ともども追い出された。どうやら衣文掛け?に飾るらしい。俺はふてくされて自室で寝た。

目が覚めると、既に午後10時くらいだった。「うわー晩飯食い損ねたー」とドアを開けると、なぜか家中シーンとしている。

階段を下りると、まず食卓に、母と祖母がいた。緊張した顔で、和室の方を見ている二人。俺を見ると、厳しい顔で手招きする祖母。なぜか手には肉切包丁。さらに母の手にはすりこぎ。

ええええ!?と思った瞬間、和室の方から

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ!!

と、摩擦音のような音がした。さらに緊張する祖母と母。


「手伝ってきてくれ、おまんは力あるから!! うちは○○(←聞き取れなかった)持ってくる!!」

内心チビリそうになりながら、そっと戸に手をかける俺に、祖母が握らせたのは「出刃包丁」。覚悟を決めて一気に引き戸を開けると、目の前には父と祖父が身構えて立っていた。

部屋の真ん中には、手と足の生えた、緑色の布の塊。それが部屋の真ん中でぐるぐる回っている。多分、あれは姉だ。しかし、見えている手がおかしい。二対ある。

手が震えて、何も出来なさそうな俺を見て、祖父が父に言った。

「ええか、先におまんが押さえ。俺が着物剥ぐ」

「ん。いくで」

回っているものに飛び掛る父。しかし相当強いらしく、引きずられてしまう。出てる手に引っ掻かれまくる父を見て、はっとわれに返って俺も飛び掛り、何とか動きを鈍らせる。

祖父がそのスキにそいつの着物を引っぺがした。

やはり中身は姉だった。しかし、着物をはがしても治まる様子が見えず、父に噛み付き、犬のように首を打ち振る姉。父の血が当たりに飛び散る。

もう手が痺れてきて、「あ、だめだ」と思った瞬間、ガラガラガラッと大きな音を立てて戸を開け、祖母が突進! 薄茶色い液体を着物にぶっ掛けた。

やっと父から口を離した姉を、母が布団でくるみ、上から縄で縛り、納戸の中に押し込んで鍵をかけた。

その翌日、庭で着物を燃やした。満身創痍の父と、俺と、祖父の三人は、その灰をたっぷりかけられた。

姉は、克明に出来事を覚えているらしいが、どうしても話してくれなかった。母と祖母の持ち出した液体も、灰をかけられたことも、あの着物のことも、未だに俺には分からないままだ。


ちなみに前突っ込まれなかったから書かなかったが、「おまん」って言うのは自分の地方での「お前」って意味なww 進学してからぽろっと口に出してドン引きされてしまった。

あと、後日談にも満たないことだけど書いておく。着物ってのは、「同じもの」は世界に一枚・または極少数しか存在しないと思ってる奴が多い。

実際、アンティークなどの昔の着物はそういうことが多い。戦争による焼失や経年劣化、使用したための痛みなどで年月とともに「同じ」着物は減っていく。

だが、1や0に必ずなるとは限らない。特に人気だった柄の着物などは、田舎では戦火を逃れて、いろんな地方に残っていたりする。

俺の進学したのは、実家から遠く離れた地方都市だった。大学ではクラブやサークルの勧誘が連日続き、部活の公開見学会なども行われていた。俺はそこで再会してしまった。

こげ茶色の髪の毛をアップにして、慣れた手つきで茶をたてていた若い女性の着物。あれは間違いなく、俺の祖母が燃やしたものと同じものだった。

あの化け物は、「あの」着物に憑いていただろうから、大丈夫だとは思うのだけど、未だに不安は拭い去れない。


全然あのことについては話してくれない。単に着物になにか憑いてたってだけだと思うんだけど、祖母の液体や灰掛けについては俺もさっぱり分からん。

母と祖母は「そのこと聞くな!」って威圧オーラむんむんだし、父や祖父の方は詳しく知らないみたいだし、あれはもしかしたら女にしか教えちゃ駄目な物なのかもしれない。

ちなみに姉ちゃん去年結婚したよ。今は横浜に住んでる。でも着物はまだ全部持ってる。懲りてない。


出典:http://toro.2ch.net/occult/
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コメント

[1643]
古い物には魂が宿るっていいますからね。
もしかすると、「小袖の手」という妖怪だったのではないでしょうか?

私も詳しくはわからないのですが…
小袖の手は蟲や妖怪といわれ、古い服や着物から手だけが出て、首を絞める妖怪だとか。

本当は主人を守る妖怪と言われてますが、前の主人が大切にしてた物を不本意な形で手放してしまって、次の主に襲いかかるって話は聞いた事はあります。

手っ取り早く退治する方法は、服や着物を燃やす事だそうですよ。
もしかするとお祖母ちゃん方は、小袖の手を知っていたのかも知れませんね。
だから直ぐに着物を燃やしたのでしょう。

茶色の液体と灰はよくわかりませんが…


面白い作品でした。
ありがとうございます。

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