優良記事紹介ヘッドライン    感謝アンテナ様【 にゃんてな!


白と黒/HN:河上龍泉

白と黒/HN:河上龍泉


榎本さんという方に聞いた話。

榎本さんは去年、結婚した。年の差結婚だった。その結婚式であったこと。

式には多くの知人、身内が参加した。中にはあまり会えていない遠方の知人や友人、懐かしい親類までたくさんの人で会場はいっぱいになった。

式がはじまる前、控え室で時間まで待っていると、緊張をほぐすためちょっと煙草を吸いに喫煙所に行った。

その喫煙所で珈琲を飲んだり煙草を吸っていると、ガラス越しに黒いネクタイ、黒いスーツを着たいわゆる葬式で着るような服を着た男性が歩いていた。

ここはブライダルなんで結婚式はやっても葬式はやらない。まさかあんな格好で結婚式に出るとも考えられない。おかしいなあとは思ったが、まあ色々ともめたりしても面倒だったんでただ見てるだけにおさめた。

それでやがて時間が来て、式は順調に進み最後になってもう終わりですよって時にはたと気づく。

先ほどの黒いスーツ、ネクタイを着た男性が私らの式に参加しているんです。黒い服でしたからね。白い服の中で目立ってましたよ。晴れ晴れしい結婚式にあんな格好で来るなんて、お目出度い席でしたが

あまりに失礼なんでちょっと文句を言ってやろうと、ツカツカ近づこうとした時に、その男性がいつの間にか居なくなった。あれおかしいなあ、見失ったかなと思って探すが、いない。

式がすべて終わり、それから一週間あまり経ったころ。電話が一本あった。それが変な内容で、聞き覚えのない年をいったような掠れた女の涙声で

「うちの真治はあなたたちの結婚式がある前の夜に死にました。とても残念です。

あなたたちには幸せな日でも、あの子には不幸な日です。かわいそうなあの子のためにあなたもどうか悲しんでやってください」

そういった内容の電話が一方的にばあーっとまくしたてる感じで要件だけ言ったあと切れてしまった。

なんだかよくわからないんですが、電話の内容が本当だとしてもなぜ見ず知らずの私のところにあのような電話が来て

察するにあの黒服の男性(真治という方)の(母親か兄弟か)と思しき人間がなぜ私に電話をし、その息子らしき人間が結婚式にいたのか、それさえ謎なんです。

でもなんだかあの二人のせいで私たちの結婚式にシミがつけられたようで、嫌な気持ちだけが今も澱のようにこの胸に残っている。



<後日談>

その後、榎本さんの奥さんがよく変な電話があったと言っていた。

内容こそばらばらだが、一貫して息子のためにとか息子のようにとか息子息子と自分の息子に同情してくれみたいな電話をしてきたらしい。

だが、最近はパタリと来なくなった。やはり、あの時旦那さんがとった電話の主と同一人物なのか。

息子を思うあまり、他人の迷惑や気持ちが見えなくなってしまった母親の異常な愛情なのかなあと思ったが、どうやら違うらしい。

違うというのは、母親を生きている存在と考えたときに、電話があったはずなのに録音したのにも関わらず履歴には一通も残っていない。

だから多分母親らしき人もこの世の存在ではない、ということになると思う。
関連記事

┏みんなに広める┓
ぜひ反響をお寄せください↓投稿者さんのやる気が跳ねあがります
Loading...
人気記事紹介    感謝アンテナ様【 P!アンテナ にゃんてな!
*おすすめタグ*

あなたに縁のある投稿
アクセスカウンター
天通イベント棚
★おすすめ本2選

★おすすめサイト2選
スピリチュアリズム 天門庵