優良記事紹介ヘッドライン    感謝アンテナ様【 にゃんてな!


昔話/HN:Mr.残念

昔話/HN:Mr.残念


学生時代の1エピソード。私が北海道の工学系学生寮にいた頃の話です。

毎週実験レポートの提出がカリキュラムに組まれていた学校・寮生活も慣れるとルーチン化してくるもので、数ヶ月もすれば仲間内の各部屋に集まりだべったり、ゲームしたり、ビデオ観たりと、どこにでもある学生生活を送っていました。

その土曜の晩は私の部屋で九人ほどが集まりボードゲームをしていましたが、すっかり夜中になり二人ほどはベッドでオチていました。

何回目かのゲームが終了し、一人が始めた怪談から次第に「自分や友人・知人の体験談」へとシフトしていきました。

何人目かに寮生ではなく、泊まりがけで遊びに来ていた友人Uが自身の体験談を話し始めました。


夏も終わろうという時期、まだネットが盛んではなかった頃でも結構有名な心霊スポットへ当時の友人Aと原チャで二人乗り(その友人Uは高校時代は結構ヤンチャだったようです)で向かったそうです。

そこは峠の途上に建つ廃病院で、麓の町が炭鉱で賑わっていた頃の名残の一つでした。峠自体もそれほど大きくなく幾つかのトンネルを抜けると白い建造物が目に入ってくるとの事。

二人は月夜だった事もありボウッと月光に淡く照らされたその建物が一望出来る路肩で一旦休憩をいれました。

時間も真夜中を過ぎ、少々肌寒さも感じてきたのでいよいよ病院へ向かおうと原チャに跨がった二人は意気揚々だったそうです。

エンジンをかけていざ発進!とアクセルを回したのですが原チャは1mmも進みません。

後ろに乗っていたUは違和感を覚えました。車輪が地面を蹴る音がしていない事に。Aは懸命にアクセルをふかしますが回る後輪は些かも前進のベクトルに変わりません。

二人はほぼ同時に後輪部へ目を向けました・・・そこには回転する車輪を浮かせていたモノがありました。

回る車輪に振り飛ばされる事もなく、しかし確かに車輪部に手をかけて持ち上げている一本の白い腕を・・・

ソレを認識した二人は悲鳴らしい悲鳴も出ずにひたすら体を(要は乗っている原チャを)揺すり腕から逃れようとしたそうです(まぁこれも後でどうやって帰ってきたかを断片的に思い出して気付いたとの事ですが)。

どれほどの間そうしていたかは判然としないそうですが、いきなり原チャが音を挙げて前進しました。アクセルをほぼ全開にしていたにも関わらずAもUも振り飛ばされずに道路へ飛び出したそうです。

既に恐怖でパニック状態の二人が病院などに向かう訳もなく、即Uターンで帰路につきました。

Uが恐る恐る後ろを振り返ってみましたが、件の白い腕は跡形も無く、ただ月光に照らされた病院が怪しく輝いていたそうです。

この腕と病院の因果関係は分かりませんが、同じような体験談は時々噂に上っていたそうですがなにぶん昔の事で真偽のほどは不明としか言えません。


この友人Uの話はこれ以上の情報はありませんが、この話をした夜には後日談というか続きがすぐ後にありました。

Uが話し終えた後に皆でああでもない、こうでもないとやくたいもない考察を言い合っていた時、部屋の窓が「ガタガタッ」と激しい音をたてたのです。

部屋の中は蒼然としましたが、私と友人のKは窓に近付き外の様子を窺いました。

まず人の気配も影もありません。当然でした。私の部屋は2階でしたし、寮にはベランダもついていません。そして突風、いわゆる風の悪戯でもありえません。

北海道の窓というのは冬の極寒に耐える為基本的に2重サッシです。無論気密性は高く、建て付けはガッチリしていますので台風でも「あんな音」は出ません。つまり前述の人が手で窓枠を抱えて揺らしたとしても無駄な堅牢さです。

念の為に窓を空けても星の綺麗な夜空に微風程度の晴天でした。しばらく待っても強い風など吹かず。

まだ明かりが点いていた隣や他の部屋の友人らに聞いてもそんな事象は起きていないとの事でした。寮の構造と部屋の位置でも風が巻いたり、突風を生み出すようにもなっていません。

結局その時刻に揺れたのは私の部屋の窓だけだった事が分かっただけで、現象そのものの正体は不明のままでした。

とはいえ、若かった事もありその後も懲りずに卒業するまで怪談は続けてましたが・・・こういう現象は後にも先にもこの夜だけでした。
関連記事
0件の投稿・反響コメントを見る

┏みんなに広める┓
ぜひ反響をお寄せください↓投稿者さんのやる気が跳ねあがります
Loading...

コメント

この記事に投稿


※天通の発信ポリシー

人気記事紹介    感謝アンテナ様【 P!アンテナ にゃんてな!
*おすすめタグ*

あなたに縁のある投稿
アクセスカウンター
天通イベント棚
★おすすめ本2選

★おすすめサイト2選
スピリチュアリズム 天門庵