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【SS】幽霊の愛/HN:いくゆみ

幽霊の愛/HN:いくゆみ


幽霊など視えて得する事などない。

面倒な事に巻き込まれるだけだ。

なるべく視て視ないフリをする。

幽霊に視えると気づかれると厄介事を持ち込まれるからだ。

最近では特に視える奴を探すのが大変らしい。

あいつらだって好きで幽霊してる訳ではないみたいだ。

やはり…この世に未練を残しては逝けない。

ただそれだけなのだ。

「なぁ…鈴木ぃ」

この馬鹿面の男は佐藤という。

別に紹介する程の男ではないので割愛する。

「本人に直接聞けばいいだろう」

そう言い残して教室を出た。

教室を出たのには勿論、理由がある。

「俺に何か出来るとは思えないですが話だけは聞きましょう」

そこには誰もいない。

本来ならば視えない存在。


『妻に愛してると伝えたいんだ』

厄介事は嫌ではあるが…俺だって感情のある人間である。

冷酷にはなりきれない。

俺は話を聞いた。

「身体は貸せません」

幽霊には身体は貸せない。

未練を残してる奴は何をするか分からないからだ。

『手紙があるんだ。渡して欲しい』

俺はスタスタと美術室に向かった。

指示された場所。

向日葵の絵の後ろを見た。

手紙が貼り付けてあった。

『その手紙を妻に頼む』


ピーンポーン

チャイムの音が鳴る。

ガチャ

「こんにちは。先生にお世話になった鈴木と言います」

俺は手紙を差し出した。

きっと忙しいのだろう。

先生の奥さんは疲れきった顔をしていた。

忙しいせいだけではないかもしれないが。

「美術室の絵の後ろにありました。見つけたからにはお届けしないとと思いまして」

手紙を開ける奥さん。

チラッと見えてしまった手紙には一言。

『愛してるよ』

そう書かれていた。

奥さんは涙を流して言う。

「今まで一度も言ってくれた事なんて…なかったのにね」

それを確認した先生の幽霊は消えた。

「きっと先生は気づいていたと思いますよ。でないと手紙なんて用意していた説明が出来ない」

俺は奥さんに言った。

「気づいていて…それでも愛してくれたんですね」

俺には分からない。

『殺されても愛してる』

そういう意味だったかもしれない。

でも

『永遠に縛りつける為の愛してる』

だったのかもしれない。

「じゃあ、これで失礼します」

俺は先生の家を出た。

「よ!」

そこにいたのは佐藤だった。

別に驚きはしない。

「何で手紙を渡しに行かなかったんだ?」

佐藤に尋ねた。

「俺は情報屋だぜ?知りたい事があったんだよ」

馬鹿そうに見えて食えない奴。

「俺からの質問は答えてくれるのかな?」

俺はふて腐れたように言った。

「お前と同じだ。前々から先生に聞いてただけだ」

只でさえ幽霊が視えると面倒なのに佐藤に知られれば面倒が倍に増える。

俺には損しかないのだから秘密にしておきたいのは当たり前だ。

「ふーん」

佐藤は納得いっていないようだった。

「じゃあ、まぁ…小野寺さんの好きなもん教えてくれたら、それで納得しよう」

はぁ…面倒臭い。

「本人に直接聞けばいいだろう」
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