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【SS】monster/HN:いくゆみ

monster/HN:いくゆみ


私の知り合いに川原という男がいた。

彼がどのような男かを説明するのは簡単だ。

奇人変人。

その言葉がピッタリと当てはまる。

見た目は特徴がない。

身長も普通で髪型も普通。

身長にしては少し痩せ型で不気味な雰囲気である。

当時の私は彼に宇宙人というあだ名を付けた。

グレイという宇宙人が彼に似ていた事が大きい。

川原は食べ物や人間関係など好き嫌いがハッキリしていた。

嫌いな人間に触れられると狂ったように叫んで触れられた場所を洗った。

教科書や本などの紙であっても例外無く洗うのである。

私は変わったものに好かれる傾向にあり、変なあだ名を付けたにも関わらず彼から嫌われる事はなかった。

川原は変な奴だが頭はかなり良く、普通の人よりも段違いに偏差値やIQが高かった。

彼は祖母の畑を手作りした爆弾で吹っ飛ばしたり奇行が目立った。


そんな、ある日。

彼の嫌っていた田辺という男が怪我をして入院した。

事件性は無く不注意での怪我という事になったらしい。

田辺自身は「黒い何かに襲われた」と言っている。

川原が何かしたのではないか?

そんな噂はすぐに学校中に広まった。

川原は隠す事なくニタニタと笑いながら「僕がやったんだよ、でも捕まらない…なんせ黒魔術なんだから…」と言っていた。

それからも彼の嫌いな人間が度々怪我をしていった。

周りからは川原には関わらない方がいい。

大人たちでさえ腫れ物に触るような扱いをされていた。

「よっ!宇宙人」

川原の背中を叩いた。

「僕にそんな風に話し掛けるのは君くらいのもんだよ」

「そうなの?」

「君は怖くないのかい?」

川原が言った。

「何が?」

「僕が」

私は少し考えてから話した。

「そもそも私は人間が嫌いなんだよ、だから人間は怖い!」

「……」

彼は無言だった。

「幽霊とか化物とかよりよっぽど人間の方が怖いよ」

私は核心を話し始めた。

「黒魔術で人を襲えるのなら世界は悪人がいなくなるか悪人しかいなくなる」

伸びをしながら話しを続けた。

「お前は悪人でも、私は悪人じゃない。じゃあ残念、黒魔術じゃ人は襲えない。悪人と善人な私が世界にはいるからなぁ。話しには尾ひれが付くもんさ、だから人間は怖い」

人は異物を認めない。

みんな仲良く同じが良い。

同じでいる事で安心しているのだ。

人は怪物が怖いのだ。

つまり彼を怪物にしてしまったのは他でもない周りの人間なのだ。

彼は卒業まで一人ぼっちでいる事が多かった。

これでは彼が怪物なのか周りの人間が怪物なのか分からない。
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