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【怖い話】苦狂日記 滅びの詩⑤/HN:忍冬

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朱美は自分の邪魔になる人間は、誰彼構わず薬物を使ったり、不思議な力で次々に排除していったようです。
もう自分のことしか考えられなかったのでしょう。

そして意外でした。
高校の同級生の優花が朱美と同じ宗教に入っていたなんて…

学生の時の優花はクラスの中でも目立つ存在でした。
勉強も運動もできて、その上美人。
男子からもかなり人気があったように思います。
そんな彼女が何故あんな宗教に入ったのでしょう……
解りませんが、彼女は朱美の死について何か知っていたんだと思います。
というのも、朱美の死を一番最初に教えてくれたのは優花からのあの電話でした。

今考えると、彼女が朱美の死を知っていたというのが不思議なんです。
朱美から優花の話など一度も聞いたことがありません。
高校の時も仲が良かったようには見えませんでした。

しかもあの電話の後、優花からしつこいくらい、日記について聞いてきたのです。

私は聞かれても適当なことを言ってごまかしました。
朱美の日記には、優花のことが色々書かれていて、その内容が信じられないものだったからです。

優花の表の顔は薬剤師だったようです。
薬の知識は豊富。教団で使われていた薬のほとんどが優花の指示で仕入れられ、それを先生のパワーが入ってると言って信者達を騙し、売ったり、与えていたということだったようです。
その薬の中には法律で禁止されてる物も沢山あったようでした。

朱美も先生から薬を渡され、飲まされています。
もしかしたら朱美は自殺ではなくて、殺されたのかもしれません。

薬物でまともな判断をできなくし、精神的に追い込んで自殺させた。

そしてそのことについて、仲の良かった私が、何か知っているかもしれないと思い、探りをいれてきた。

そうとは知らずに、私は優花に朱美から日記が送られてきたことを喋ってしまいました。
その日記に朱美の死や、教団内の優花について、何か書いてあると思ったのでしょうね。

彼女は何度も電話で聞いてきたり、自宅にまで来て、日記を見せてと言ってきました。
あまりにもしつこいので、井上陽子さんの日記の教団とは関係ない部分を見せ、全然知らない人の日記が入っていたと言って誤魔化したこともありました。

それからはあまり聞いてこなくなりましたが、その代わり真輪光教会の人間を使って、私をストーキングし、見張るようになったのです。

そこまでしてくるということは、やはり送られてきた物が気になったのでしょう。
朱美の死や優花の正体が解ることが日記に綴られてると思ったのでしょうね。

そしてその送られてきた日記の中には、私にとって、かなりショックなことも書かれていました。


―村瀬朱美の日記―

平成25年4月12日(金)

信昭からあの一緒にいた男の話が聞けた
名前は古田貴則、絵理子の旦那と同姓同名…
しかも年齢も同じだし、住所も絵理子の家の辺り…
まさかね……


平成25年4月13日(土)

信昭に教えられた住所に行くと、マンションがあり、そこの駐車場には絵理子の車があった。
世間って狭いかもね…本当にあの男……
絵理子の旦那の可能性が高くなった…


平成25年4月15日(月)

古田貴則のマンションに意識を飛ばした
そこには絵理子がいた
やはり古田貴則は絵理子の旦那だった
でも、旦那の姿はなかった
念を送り、日記のデータが入っていそうなPCを壊させてもらった
旦那の方もなんとかしないといけないが、今はこれ以上何もできない…
また今度にしようと思う


平成25年4月23日(火)

信昭はもうダメね
完全に頭がイカれてしまった
薬強かったかな?

それよりも最近、私の身体の調子がおかしい…
先生の薬のせい?
まさかね……


平成25年4月30日(火)

信昭をとりあえずアパートに戻した
会社も辞めさせた
しばらくはアパートで様子を見て、ヤバそうなら源教の施設にぶち込むか……
あとは、古田貴則をなんとかしなければ…
優花の存在も気になる…


平成25年5月28日(火)

信昭を源教の施設にぶち込み、アパートも引き払った

最近本当に身体が辛い
幻覚や幻聴も前より酷くなってきてる
本当に大丈夫だろうか?
先生の薬も効かなくなってきた…


平成25年6月6日(木)

久しぶりに絵理子から電話があった
どうやら古田貴則が夜中に痙攣を起こし、救急車で病院に運ばれ、そのまま入院したらしい…
原因は不明
毎日、念を送った効果がやっとでてきたか…
なかなか精神的に強い男だったかもね
殺すことも可能だが、絵理子の旦那だ…
それは勘弁しておいてあげる……
それよりも今は自分の身体が心配だ…


・・・・・・・・・・・・・・

まさか主人の原因不明の痙攣が、朱美の不思議な力によるものかもしれないなんて、微塵も思いませんでした。
というか、本当に朱美の不思議な力で、主人はこんな身体になってしまったのでしょうか?

確かに朱美の日記に記されてる通り、家の中で誰もいないのに、人の気配を感じ、触れてもいないのに音を立ててPCが壊れることがありました。
それも朱美の仕業だったなんて…

しかもこの件に、主人が関わっていたなんて思いもしませんでした。
主人はあまり余計なことは言わない性格です。
主人から陽子さんの日記について、一度も聞いたことはありません。
信昭さんも同じ会社の後輩っていうことは知ってましたが、それ以上は知りませんでしたし、まさか朱美と関係があるなんて全然わかりませんでした。

私に余計な心配をかけたくないと思ったのでしょうか?

痙攣が起きる前までは、真面目に働き、仕事もほとんど休んだことはありません。
難病を患って、痛みのない日はなく、辛く大変な毎日だったというのに…

大変でしたが、幸せだったように思います。

そんな主人が今ではほとんど寝たきりの状態です。
無理をしていたのかもしれません。
でも普通に働き、普通に生活をする。
当たり前のことかもしれませんが、幸せだったんです。

痙攣の原因が、本当に朱美の力によるものだったならば、私は朱美を許しません。
ですが、そんな朱美の性格を、歪ましてしまった原因の一つが私にあるならば、とても複雑な気持ちなのです。
主人には何の罪もないだけに、本当に悔やまれます。
まさかこんな形で私に返ってくるなんて……

私には宗教というものが解らなくなってきました。
私が信じるものは正しいのでしょうか?
祈り続ければ幸せに近づくのでしょうか?
ですが、今の私には祈ることしかできません。
少しでも幸せに近づくように……

朱美も最初は幸せになる為に宗教に入信したはずです。
ですが、日記の中の彼女からは幸せを感じられません。
毎日何かに怯え、日に日に窶れていく姿が日記には記されています。

そして最後には、焼身自殺……
彼女は人生の中で、幸せを感じる時間はあったのでしょうか?
いったい彼女は、何を考えて生きてきたのでしょうか?
真輪光教会という宗教に何を求めたのでしょうか?
未だに何も解りません……

優花もそうです。
彼女も真輪光教会に何を求めたのでしょう…
私から見ればこの宗教は狂人の集まりでしかないように見えるのです。

先生と呼ばれる教祖、人道光照。
彼は何者なのでしょう?
セミナーや会合を開き、薬や奇妙な儀式で信者達を洗脳していったといいます。
金と人を集め、何をしようとしていたのでしょう?
自分の欲の為?
それとも人の支配でしょうか?

そんな宗教に狂わされていった人達……
その人生は皆、壮絶なものだったのかもしれません。

朱美のように、辛く悲しい人生があったのかもしれません。
日記の中の朱美のように……


―村瀬朱美の日記―

『身体が腐っていく
心が腐っていく
涙が滲み
強い苦しみが思いの中で木霊する
冷たい感情の中を歩き
記憶を引き摺るのはもうたくさん
貴女の恐怖を見ているだけで 破壊に狂える今の私は
夢を見ることさえくだらなく感じるの…
さぁ 教えて
貴方の時間は意味があるの?
貴方の命に意義はあるの?
果てることのない歪みの叫びは私を救えるの?

違うと言って
違うと言ってよ
こんな淀んだ血の流れに自分を止められないなんて…
心を剥ぎ 痛みを毟ることの快感
怯え震える眼は
鏡を見ているだけと気付いたわ
込み上げる悲しみに揺さぶられる度 反吐が出るの
現実と幻を彷徨い 滅びの時を歩くのも悪くないでしょう?
さぁ 教えて
貴女に意味はあるの?
私に意味はあったの?』


平成25年7月11日(木)

まただ…また詩……
消しても、ページを破いても、気付いたら新しい詩が次々に書かれていく
気が狂いそう…
これが陽子、あなたの呪いの力なの?
それとも私が狂っているの?
わからない…
何もわからない…
私はどうしてしまったの?
全てあなたの呪い?

まともに過ごせる時間が少なくなってきた
頭痛に目眩、吐き気に震えが止まらない…
幻覚に幻聴もひどい


平成25年8月9日(金)

仕事も家事もできなくなってきた
信治のことも面倒になり、薬の量を増やし、源教の施設にぶち込んできた
金はあるし、しばらく一人でゆっくり暮らそう

平成25年8月19日(月)

先生が様子を見に来てくれた
やはり心配してくれていたんだ
さりげなく優花のことを聞いてみた
優花は薬剤師の資格を持っているみたいで、薬を作るのに助けられていると言っていた
それ以上の関係はないとも…
やはり頼りにしてるのは私だとも言ってくれた
私の力が必要だと、源教には私が必要だと…

先生は帰り際、薬を置いていって、しばらくは家にいなさいと言っていた
この薬…まさかね……
私を狂わしても何のメリットもないものね……


平成25年8月21日(水)

家が炎に包まれる幻覚を見た
喉が苦しく、身体は焼けるように熱い
なんとか家から脱出すると、炎はウソのように消えていた…
本当に私…どうしてしまったのだろう?


平成25年9月13日(金)

幻覚が止まらない…
今日は腕の中に虫が蠢いていた…
気持ち悪い
自分の行動もおかしい…
気が付いたら自分の頭髪を毟っていた
鏡を見るとすっかり変わってしまった私がいた
このままではまずい
なんとかしなければ…
まだまともな意識があるうちに……


平成25年9月15日(日)

先生の薬を少し多めに飲んだ
凄い気分が良い
これなら大丈夫そうだ
源教に久しぶりに顔を出した
先生は心配してくれていた


平成25年10月22日(火)

先生の薬がないと正気を保てなくなってきた
24時間、頭の中に陽子の詩が聞こえる
ずっと詩がループしてる
頭がおかしくなりそう……


平成25年12月18日(水)

今日、源教で先生と優花の話を聞いてしまった
私が怖いらしい…
私はお払い箱らしい…
何で?こんなに尽くしてきたじゃない…
余計なことを知り過ぎた?
私の力がそんなに恐怖?
全部先生の言う通りにしてきたじゃない
こんなの嘘よ…
私より優花をとるの?
何で?


平成25年12月20日(金)

やはり私はお払い箱のようだ…
先生は私を利用したにすぎなかった…
私を心配したのは嘘…
私を大事にしたのは自分の為だったみたい
散々利用して、少しでも危険要因がある者は消すって訳ね…
私は何の為にこの力を使ってきたの?
この力は何の為に私にあたえられたの?
こんな思いをするのなら、力なんていらない……


・・・・・・・・・・・・・・

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