優良記事紹介ヘッドライン    感謝アンテナ様【 にゃんてな!


【怪異】冬コ●とお泊りと困った人達①/HN:こげ

冬コ●とお泊りと困った人達/HN:こげ


年も押し詰まった某日、
早朝から『ビッ●サイト』で行われる冬季同人誌即売会…
通称『冬●ミ』へ友人三人と出掛けました。
なぜ『冬●ミ』へ?
と、尋ねられましたら…
業(ごう)…と、言えば良いのでしょうか
性(さが)と申しましょうか…
私達四人が共通して持つ、
特殊で公には言葉に出来ない趣味…
二次元三次元老若…ナマモノ可否問わず、
男性同士の恋愛を記録した書籍、映像、ゲーム等を蒐集すること…
極寒の中…この日を待ち焦がれ渇望し逸る猛る気持ちを押し殺し、
早朝から入場する為に並び、
入場が適えば主攻戦闘区画である大手へ並び、返す刀で企業ブースに並び、
搦め手のトイレでまた並び…また列に並ぶ…並んで並んで買い漁る!!
己の願望を満たすため…
わずか五尺の体躯に闘志を燃やし
馬手にお財布、弓手にスケッチブック…
遠からん物には幟旗を眺め、近かくばサンプルを手に取り目にも見よ!

「………」

ええと、
欲しい『ブツ』は午後二時には全て手に入れまして…ええと
素晴らしいお宝を手に入れたらその日の内に、
誰にも邪魔されず、その作品世界へどっぷりと浸りたいじゃないですか。
それで、親友ユズキのアパートへみんなでお泊りなのです。
年末で忙しい時でしたが、半年前から母に外泊の許可を戴いておりまして、
本日目出度く、家事や雑務から解放されて、
一日を趣味だけの為に費やせるのでありました♪

ああ、なんと禁忌と倒錯と退廃と恍惚に満ちた至福の時間…
声に出して読みたい衝動に何度駆られたことでしょう。

今回のコレ!これすごい!BLだけに掘り出し物!!
薄い本なのに中身の濃いこと!
待ってました!ガー●ズ&パン●ァーの男体化ですよ!?
それゆけ!ぼくらの男色道!!ですよ♪
『BL&パンツァー!!』
主人公みほ(♂)の転校先で紡がれる友情と愛!そして、実の兄弟が繰り広げる愛憎…
コレ描いた人、天才ですよ!!
男体化されたキャラクターの下半身にそそり立つ戦車砲!
弟君(みほ)が兄君(まほ)を下克上…ああ!詳しく書くと大変なので抽象的に…しますね…
タイガー戦車の弱点であります後部装甲を背後から4号戦車F2の75mm Kw.K.40砲で
ガンガン貫きながら88mm Kwk36L/56砲をごしごし扱いちゃってますよ!!
きゃああああああああああ!
目とかいろんなところが潤みっぱなしです!
もっと深く…深く腐海へ潜らねば…だって、801ダイバーですから私達!!


「ぐきゅぅぅううううううううう」

これは…お腹の虫が鳴った音…デス…
残念、現世へ戻る時間がきてしまいました。
薄い本を閉じて…起き上がりますと

「おなかすいたー!」

「めし!めし!めし!!」

「本当だねー♪お腹すいたねー♪」

「何か作ろっか?」

皆も同じでーす♪
では、キッチンをお借りして~手早く、
冷蔵庫に残ってたお野菜とベーコンで適当かつ簡単に、
ナポリタン風スパゲティとサラダを作ってみんなで食べました♪

その後、近所の銭湯へ行きま~す。
でもでも私達の入浴場面を事細かく書いても面白くないでしょうから
割愛させていただいて、お風呂屋さんの帰り道まで話を進めますね。



銭湯の暖簾を潜って外へ出ますと、
あまりの寒さに皆、一様に肩を竦めて身体をブルブル震わせました。
雪でも降ってくるんじゃないかと思うくらいの寒さです。

「湯冷めして風邪引いたら大変だから、近道通ろう!」

ユズキが往路では迂回した、お寺の敷地を横切って行こうと提案しました。
湯上りに四人で350mlの缶ビール一本を回し飲みして
ちょっとご機嫌になってたからでしょうか…
黒い壁のように密生してそそり立つ樹々を薄気味悪いね…
とか言って眉を顰めてたのに…

「早くお部屋に戻って温まりたい!」

「行こう!行こう!」

「近道!近道!」

まるで躊躇無く…山門を並んで潜りました。

「虚刀流七代目当主『鑢 七花(やすり しちか)』!大手を振って罷り通る!!」

「またひとりの男が門を潜った…その門の名は『修羅の門』…」

寒い寒いと言ってたのに…なぜか全員、威風堂々といいますか…
万夫不当な丈夫が如く肩で風を切って石段を登っていきます。
まぁ、コ●ケ帰りな上に、ちょっとだけアルコール入ってますので…
ユッコとユズキは元気良く、私はアマネと並んでゆっくりと。
照明は所々に配されているのですが、圧倒的に光量が足りてませんね。
晴れ渡った夜空に、星や月が光を放っているはずなのですが…
両脇を樹齢が数百年は超えていそうな大木が並んで、
張出した常緑の枝葉が頭上を遮ってしまっているから余計に暗いんですね。
周囲に濃い闇が落ちています。

昼間は木漏れ日の下を行く快適な参道なのでしょうけど…
夜はこんなにも陰気で暗くて寒くて…
私もだんだん夜の暗さに目が慣れてきたみたいです。
石灯篭や離れたところにある一際大きい建物が本堂でしょうか…
お寺…幽世に一番近い場所…
俗世と隔した幾重にも張られた結界の中…
敷地内には墓地もありますね…当たり前ですけど…
今は火葬だから納骨で…人の死体は埋まってないですけど…

『Ob's stürmt oder schneit Ob die Sonne uns lacht♪
 Der Tag glühend heißOder eiskalt die Nacht♪』
 (風吹きすさぶ雪の夜も、太陽輝く炎天も)

先頭を行くユッコとユズキが歌いだしましたよ?ドイツ語!?
おお、パンツァーリートです!
ドイツ第三帝国時代の行進歌でして…ドイツ連邦軍では歌わなくなりましたが、
自衛隊では親しまれ演奏され歌われている曲だったりします。
右腕をガシガシ振りながら…夜なのにお寺なのに…

『Bestaubt sind die Gesichter,Doch froh ist unser Sinn♪
 Ist unser Sinn;Es braust unser PanzerIm Sturmwind dahin♪』
(埃みまみれるとも我らいが士気は天を衝く、暴風の中を戦車は轟然と邁進す)

「ふふ
 ここはかつて我が軍勢が駆け抜けた大地!
 余と苦楽を共にした勇者達が等しく心に焼き付けた景色だ!
 この世界、この景観を形に出来るのは
 これが我等全員の心象であるからだ」

私以外の三人は、さして気にした様子も無いみたいです。
アマネまでもがバスタオルをいきなりマントみたいに首に縛り付けて
腕組みしたかと思うと朗々と語りだしましたよ。
大塚明夫さんみたいに!

「見よ!わが無双の軍勢を!肉体は滅び、その魂は英霊として世界に召し上げられて
 それでも余に勃●する伝説の勇者!
 時空を超えて我が召喚に応じる永遠の念友達!
 彼らとの絆こそが我が至宝!我が衆道!ギリシアが誇る最強宝具!
 ヒエロス・ロコス(ホ●の軍隊)なりぃ!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」(ユッコ)

「うあああああああああああああああああああああ!!」(ユズキ)

どこからか箒を持ってきたユッコとユズキが槍に見立てて右手へ持ち、
アマネに向けて歓呼の声をあげてます。
まったくもって三名様益々意気軒昂…
蛇足を承知で書かせていただきますが…ヒエロス・ロコス(神聖隊)は紀元前378年に
将軍ゴルキダスが結成した古代ギリシア・テーバイの最強と謳われた精鋭歩兵部隊です。
愛する相手に惨めな姿を見せようとせず、かつ恋人を守って戦うだろうとの想定の下、
設立されたという兵士300名全員がホ●!
150組のカップルで構成されたドリームチームなんです♪

「ホ●とは!
 誰よりも鮮烈に生き、乙女を魅せる姿を指す言葉!」

『然り!然り!然り!!』(ユッコとユズキ)

「全ての乙女の羨望を束ね!
 その道標として立つ者こそがホ●!
 故に…ホ●は孤高にあらず!
 その偉志は全てのホ●の志の総算たるが故に!!」

『然り!然り!然り!!』(ユッコとユズキ)

三人の魂はますます熱く燃え上がっちゃってます!
すっごく周囲には迷惑なくらいに!
でも…なんで私だけ…こんなに醒めているんでしょ?
酔いもどっかいっちゃってるし…

「ん?」

上から…何か…人の溜息みたいなものが聞こえた…ような…

「さぁて…では、始めるかノン気のリア充共よ…
 見ての通り、我等が具象化した戦場は味噌蔵よ!
 生憎だが数で勝るこちらに地の利はあるぞ、蹂躙せよ!!」

「うわああああああああああああああああああ!!」(ユッコ)

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」(ユズキ)

勝手に蹂躙しててください…
聖杯戦争?してる人は無視するとして…
ええと、気になってました…
溜息…
もしくは
自宅で飼ってる猫のメイプルのおならみたいな…
『スー』とか『フゥー』って音…
私、見上げてしまいました。
冬とて葉を落とさない常緑樹が頭上を覆ってます。
真っ暗闇…ですね…
どれが葉だか枝かも分からないくらい真っ暗闇…

「どうかした?」

具現化された心象の固有結界から現実世界へ立ち戻ったユッコが
上を見ている私に気がついて訊いてきました。

「上から溜息みたいな音が…」

「溜息?」

「う~ん、もしくは猫のおならみたいな?」

実家で飼ってる猫たんが一緒に寝てると音のしないおならをたまにします。
何食べてるのか心配になるくらい、すっごく臭いやつ!
カリカリが主食のはずなんですけど…

「お・な・ら?」

「うん、おなら」

私に倣って上を眺めるユッコ…
そこにまた…すぅって…

「聞こえたよね?」

「聞こえた……ね」

なんだろうね?って二人で首を傾げたら

「梯子が掛けられたままになってるな」

ユズキが一本の杉の樹の太い幹に梯子が立て掛けられているのを見つけました。
植木職人さんが使ってるようなプロ仕様って感じの
八の字に足場の横棒がいっぱい付いてる…ものすごく長いの…
こんな時間でもまだ…お仕事中?
人の姿を視認しようと再び、目を凝らして頭上を見直しますと…
またまた…すぅ…

「確かに誰かいるみたいだ…よ…ね?」

アマネとユズキにも聞こえたみたい…

「人の気配はしないよね…なんか…気味悪いね…」

「こんな時間に木に登ってるなんてあるのかな…」

植木屋さんが明かりも点けずに作業なんてあり得ないですよね…
だんだん嫌な…なんか、とっても嫌な予感…
両肩…妙な不快感を伴う重さが圧し掛かってきます。

「ほら!いつまでもこんな所に立ってたら確実に風邪引いちゃうぞ!」

ユッコが私の背中をパシン!って叩いて

「早く部屋に戻って温まろう!」

もう興味無くした!って感じで私の手を引いて歩き出しました。
アマネとユズキが後に続きます。
危なかったかも…です。
芽生えた恐怖が恐怖を生み出し、
増大した恐怖に飲まれて金縛りに陥ってたかも…
霊…とか、そこまで強く嫌な気配を感じた訳ではありません。
でも、頭上に誰か…何か…が確かにいた…いる…ような…
溜息みたいな音だって…
うん、私が怖がらなければ良いだけ…

私はお寺の敷地を出てアパートへ着くまで
ずっと背後へ気を配り
誰か…得体の知れない何かが追いかけてこないか用心して歩くことにしました。
あ、申し遅れましたが、
私、実はネットで知り合った方達と…幽霊が出ると噂される場所へ立ち入り
現場の雰囲気や、起こる怪異を楽しむ心霊スポット探検という趣味を持っているんです。
探検を終えて帰るとき…敷地を出た私達の背後をついてくる足音を聞いたり、
気配を感じたことが幾度もありました。
強烈なものになりますと、生前の姿を露わにして家まで憑いてきて
とっても迷惑なことをする…俗に憑依とかお持ち帰りという現象に
苛まれることもありますが
大抵は足音や気配だけで…いつの間にかいなくなっている…というものです。
頭上から感じたのは
いつものの気配とはまた違う…なんというか生活感のあると言いますか
生きてる感じといいますか…危険はそんなに無いかなと…
まぁ、それでも気をつけないと…

ちゃんとした霊感持ちがおかしいと思ったことはだいたいが当たりだからと
心霊スポット探検リーダーの天之津君が申しておりましたし…

幸い、何も起こらず
アパートへ帰る事ができました。
お部屋へ戻って、テーブルを片付けお布団敷いて寝る準備を整えましたら
私達、眠くなるまで読書を再開します。
この為にお泊りしに来たんですもの♪
夜も遅いのでお菓子は無しの紅茶セットだけ用意して
あとはもう言葉を交わすことなく…
熱い吐息…深い溜息が時々漏れるくらいで…
本当に静か…全員が本の世界に…のめり込み…
思う存分、愉悦と愉楽を貪らせていただきました。


午前0時を過ぎて…
はしたない大あくびが出て…
訪れた睡魔…
本日の読書タイムはこれにて終了ということで、
布団に入って休むことにしました。
家主ユズキとアマネはベッドで、私とユッコがお客用の布団で。

「明かり消す?」

「そだね」

私が立ち上がって明かりを消しました。
布団に入るとユッコがぎゅーって抱きついてきて私もぎゅーっ♪

「おやすみ♪」「おやすみ」「おやすみ~」「おやすみなさぁい」

こうして眠りにつきました。


目を覚ましたのは
何か重いものがぶつかる音…
そして、一緒に寝てるユッコが私の名前を呼ぶ声が聞こえたから…

「起きろ!起きろってば!」

目を開けますと…ユッコの顔が目の前に…なんか、すっごく強張っています。

「今の聞いた?」

玄関の方…何かを叩く大きな音…
何か…というより…ドアを殴りつけてるみたいな…
殴りつけると言うより…体当たりしている…みたいな…

「何が起きてるって…いう…の?」

アマネもユズキもすでに起きていました。
ベットから落ちそうなくらいに身を乗り出し、
玄関のある方向を見つめています。

ドン…………ドン…………ドン………

寝室のドアの向こうの短い廊下の向こう…
玄関の上がり框から80cm向こう…
チェーンロックとディンブルキーを採用したダブルロックのドアを
外側から叩いているみたいです。
まだ聞こえてきます。
止める気配なさそう…間を置いて何度も…何度も…

ゴン…ゴン…ゴン…

「な、なんなの?」

音がだんだん重く強くなってる気が…
酔っ払いが暴れているようには思えませんが…

「闇金融が借金の取り立てに来たとか…?
 ユズキ…いくら多重債務でどこからもお金借りることできないからって
 闇金はダメよ!」

「そんなところから借りてないし!」

「イカサマ麻雀で両親を自殺に追い込まれた仕返しに、
 一人残された息子が修羅場をかいくぐって身につけた魔技を引提げて参上したとか?」

「いやいやいや、当局に居場所がついにバレて
 警視庁の特殊急襲部隊が突入してきたんだよ!ユズキ大ピンチ!!」

「それって私のこと?何者だよ私!?
 あんた達の推測には、私を熱烈に愛してしまった極悪ストーカーが実力行使で
 夜這いに来たって可能性はないの!?」

「無かったね残念だけど」×3

そこへ、まるでドアが破壊されたような、今までで一番大きな音が…
続けて家の中で…ドアの内側で何かが崩れたような…
誰かが倒れこんできたような…床を叩く激しい音が…

もしかして…ドアを突き破って…入ってきちゃった…の…です…か?

「家主!緊急事態発生!威力偵察状況開始!!」

アマネが隣のユズキに要請しました。
高校時代からスカートが激しく翻った事が一度も無い
リリアン女学院の模範的な生徒みたいなアマネですもん自ら動かず他人を動かす名人…
その異名はフェザーンの黒狐!アドリアン・ルビンスキー!!

「いやいや、高校以来の荒事担当のユッコこそ、この任に一番相応しい」

しかし、ユズキもさるもの引っかくもの…ユッコへ丸投げしました。
その時、玄関から 湿った…柔らかいモノが床に叩きつけられた…みたいな
不快な…びたん…びたん…びたん…誰かが…誰かが…廊下を…廊下を…

『ひぃぃいいいい!』×4

二足歩行じゃ…ないです!四つん這い!這ってくるですよこの音!!
絶対…人じゃ…ない…の…決定ですよ!?
まさか…さっきのお寺で…
お寺から…ついて…憑いて…こられた!?
頭の中では…顔は人で身体がコモドオオトカゲなのが廊下を這って来るイメージ…

「ちょ、超常現象担当!確認よろしく!!」

わー!私にお鉢が廻って来てしまいました!
超常現象…担当…って言われてしまいました!
確かにこの手のモノは…ずっと…女子高時代から…私が…



>>続きを読む
関連記事
0件の投稿・反響コメントを見る

┏みんなに広める┓
ぜひ反響をお寄せください↓投稿者さんのやる気が跳ねあがります
Loading...

コメント

この記事に投稿


※天通の発信ポリシー

人気記事紹介    感謝アンテナ様【 P!アンテナ にゃんてな!
*おすすめタグ*

あなたに縁のある投稿
アクセスカウンター
天通イベント棚
★おすすめ本2選

★おすすめサイト2選
スピリチュアリズム 天門庵